吊るし搾りの日本酒「花陽浴」と「いぶりがっこ」で一杯
知り合いの人に酒をもらった。
なかなか手に入らない「花陽浴」(ハナアビ)。
花陽浴は埼玉県の南陽醸造という蔵で、姉夫婦に弟二人の四人でやってる小さい蔵。
そのため大量には造れないけど、実に丁寧な酒を造ってくる。
数年前にある酒屋に紹介されて飲んでみて、その旨さにビックリ。
華やぐような香りが素晴らしく、今でもその時の印象が忘れられない。
その人からは ”いぶりがっこ” という秋田の漬物ももらった。
袋には「いぶり漬け大根」とあるけど、「いぶりがっこ」が登録商標で使えないため。
いぶり漬け大根とは大根を燻製にしたものを漬けたもので、これがなかなか旨い。
珍味というと変わった味という意味もあるけど、いぶりがっこは正直に美味しい。
ご飯のおかずにもなるし酒のツマミにもなる。
早速、花陽浴と ”いぶりがっこ” で一杯だ。
華やかなお酒の花陽浴なので、合わせるアテは地味な田舎料理がいい。
芋がらの炊いたん。
これが好きなんです。
カブの漬物。
これからの季節はカブがますます旨くなる。
カブの葉っぱも漬けると旨いけど、残念ながら葉っぱは付いていないとのこと。
スーパーでは余計なものをつけても売れないから仕方ないか。
オニオンスライス。
これは定番のもの。
それと里芋の炊いたん。
一瞬ホタテかと思ったけど里芋だった。
これも今の時期が旬なので旨い。
で、あろうことか肝心のいぶりがっこの画像を撮り忘れてしまった。
情けない。
それはさて置き、久しぶりの「花陽浴」(ハナアビ)。
この花陽浴はおりがらみ。
おりがらみとはお酒を搾った時に底にたまる澱(オリ)のことで、酒米の澱などのこと。
おりがらみのお酒は、ほんのりと甘みを感じる。
それとこの花陽浴は吊るし搾り(雫採り)。
しかも微発泡している。
吊るし搾りとは、発酵した酒の元である醪(モロミ)を普通は圧縮して搾るのだけど、醪を袋に入れて重力だけでポタポタと垂れ落ちた雫を集めて造る方法。
圧をかけないから当然歩留まりも悪いけど、雑味がなく純粋な味に仕上がる。
ただし手間も時間もかかる贅沢な搾り方なので、当然コストは高くつく。
で、薄にごりの花陽浴。
一口飲めば口に広がるゴージャスな味と香り。
少し甘目の華やかでフルーティーな味は、まさしく花陽浴の味。
洒落たワイングラスに注げば白ワインと間違えそうな雰囲気。
原料が米とは思えない酸味もあり、旨い。
これほどのお酒をたった四人で作ってるとは驚きだ。
しかも全員20~30代の若い人たちだから余計に驚く。
レギュラーで飲んでる小左衛門も、杜氏を含め酒造りに携わってる人たちが若い。
若い感性が今までの日本酒とは違う旨さを引き出しているのでは、と思う。
昔は日本酒が大嫌いだったけど、それが今は大好きになってる。
その頃の日本酒は酒臭いしお洒落でないから嫌いだった。
それが九平次や獺祭、飛露喜、十四代、小左衛門などが出てきてからだんだんと好きになってきたのだけど、それらの酒には共通する旨さがある。
華やかな吟醸香、リンゴや葡萄のようなフルーティーな酸味、爽やかな口当たりで決して酒臭くない味などで、昔の日本酒とは明らかに一線を引いている。
今は焼酎やウィスキーなどの蒸留酒がブームになってるけど、飲んで旨いのはやはりワインや日本酒などの醸造酒だと思う。
嗜好品だから個人の好き嫌いで飲めばいいけど、個人的にはそう思う。
いかん、花陽浴が旨いから一本空けてしまいそう。
いきなり飲み干してしまっては勿体無いからと、ビールにチェンジ。
う~ん、ビールはのどごしが良くてこれはこれで旨い。
ちょうど肉料理が出てきたからいい感じだ。
日本酒もビールも旨いね。
家で飲んでも旨いというのはいいことだ。
この後もう少し飲みたいということで、小左衛門を出してきてまた一杯。
小左衛門の出羽の里も、花陽浴に負けず劣らず旨いのには驚く。
いい気分に酔ってきた。
今日もごちそうさまでした。
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