築百年の古民家で味わうフレンチ「エスカリエ」【岐阜県瑞浪市】
- 2017.10.23
- 岐阜県
岐阜県の瑞浪市にあるフランス料理屋「ベルエキップ」でランチしたのは、つい先週のこと。
実は店を探している時に、もう一軒気になる店があったのだ。
その気になる店とは「ビストロ エスカリエ」という店で、この店のウリは築百年の古民家ということと、自然派志向ということ。
そんなことを奥殿に話したら、ぜひ行きたいとのこと。
幸いというか、雨で予定していたことが流れてしまったので、二週続けて瑞浪まで出かけてきた。
雨の中をバキューンとかっ飛んで到着したのが、ここ「エスカリエ」。
築百年と言っても、それほど古ぼけた印象はない。
ちょっと古い民家、といった印象。
以前はそば屋だったから、それなりに手が入っているのだろう。
玄関の左側のガラス張りの部屋が、麺打ち場だったようだ。
店は靴を脱いで上がる作り。
玄関内にはこんな看板が立てかけてある。
野菜は無農薬で、しかも自分たちで栽培しているという自然派志向。
後でママから聞いた話だが、自分たちで野菜が作りたくて、それで名古屋の店を閉めて瑞浪の地に移転してきたとか。
理想を追求して引っ越すなんて、なかなか出来ないことだ。
肉も畜産の肉ではなく、野生の肉(ジビエ)を使っていることに驚く。
しかも自分たちで獲ってくるとか。
猟師だね。
店内はテーブルがぎっしり詰められている。
しかも椅子がハイバックなので、圧迫感がある。
もう少しテーブルを減らして、席の間隔を空けた方がリラックスできると思うのだけど、店の都合もあるのだろう。
我々は窓側の席を進められた。
部屋の作りから言えば ”縁側” だ。
ランチのメニューは3種類(1,600円~2,000円)。
メインディッシュの違いによって3種類になるのであって、前菜やサラダなどは全て同じ物が付いてくる。
私は鹿肉のパートブリック(春巻き)を、奥殿は美濃海老のコートレット(カツのこと)をオーダーした。
それにしてもフランス料理のメニューは難しい。
メニューだけではどんな料理か想像がつかないから、ママの説明がないと選べない。
なおデザート(デゼール)は別で、プラス400円とのこと。
先ずは前菜が運ばれてきた。
スズキのカルパッチョ。
下にひかれているのはご飯?だったと思うけど、冷製のためふっくらとした感じはなく、芯の残ったご飯のようだった。
スズキは美味しかっただけに、ちょっと残念。
見た目は美しくて、今風に言えば ”インスタ映え” はする。
パンはバケット。
ごく普通のバケットで、おそらく市販品。
オリーブオイルと塩、それにコショー!が付いてきた。
オリーブオイルではなくバターが欲しい。
スープ。
ジャガイモ(キタアカリ)のスープで、冷製。
画像では量がよく分からないが、量は極小。
そのためスプーンもティースプーンが出されたが、こんなのは初めて。
スープの味がどうのと言うより、あまりにも少なくて味わう間もない。
スープ用のスプーンならひと口で終わってしまう量。
この量は ”お子ちゃま” 用だ。
今までに例のない極小のスープで、どうしてこんなことをするのだろうか。
コストの問題ならいっそ出さない方が気が利いている。
しかもスープをティースプーンで飲ませるなんて、論外。
ワインをお猪口で飲ませるようなものだ。
サラダ。
レタスを盛っただけのもの。
無農薬の自家製らしいけど、感激するようなことはない。
オーガニック志向の方なら違いが分かるのかもしれないが、その方面に興味のない私なので、違いが分からない。
それよりもうちょっと料理らしいサラダにして欲しいというのが、正直な感想。
ここから待たされたけど、席数にスタッフの数が追いついていない感じ。
客席もママが一人で対応しているが、明らかに手が回っていない。
ママはとても良く気が付くし、笑顔も素敵なクレバーな人だけど、物理的に手が回らないのだ。
我々もパンの追加や水が欲しかったのだが、忙しそうにしているママを見ると頼むのも気が引けてしまい、頼むのを遠慮してしまった。
我々はまだマシな方で、後から入ったお客さんはオーダーが済んでもかなり待たされていた。
皆さん大人の対応で何も言わないが、ちょっと不満そう。
これでは店にとってもマイナスだから、スタッフを増やすか客席を減らすしかないと思う。
だいぶ間があってから運ばれてきたメインディッシュ。
美濃鹿のパートブリックという料理だけど、鹿肉の春巻きと言った方が早い。
ママに「鉄砲で撃ってきたの?」と言ったら、ワナで獲ったものだとか。
鹿肉はミンチ状になっていた。
脂っ気のないパサついた感じなのは野生肉の証しだが、旨いかどうかはまた別の話し。
獣臭さは無いが、野生の旨味が感じられないことも事実。
この辺りは難しいところで、野生の旨さと獣臭さとは紙一重の世界。
ただし、むかし猟師の家で食べた鹿はもっと旨かったし、ミンチ状にしたものではなく、肉そのものを炙った状態で出された。
比べてはいけないのだろうが、鹿肉の鮮度が違うのだろうと思う。
同じジビエ料理と言ってもいろいろあるものだ。
奥殿オーダーの美濃海老のナンチャラの画像は、撮り忘れ。
美濃海老って聞いたことがないけど、芝海老ほどの極小の海老で、海老の味はするけど海老を食べている感覚は無かったとのこと。
デザート。
ガトーショコラにりんごのアイス(シャーベット)とパイナップル。
店屋物を盛り付けただけといった感じで、これで400円は微妙。
ケーキは固くてナイフが欲しいほどで、作ってから日が経っているのでは。
コーヒー。
苦味の効いたビターなコーヒー。
以上でランチは終了。
この店の評価は難しい。
オーガニックな食材を使っているということで、自然派志向の方には受けがいいかもしれないが、そういう方にとって野生肉(ジビエ)を受け入れられるのだろうか。
野菜を自分の畑で育て、肉は山で獲ってくるというコンセプトは素晴らしいが、その理想に現実が追いついていない気がした。
そのため営業時間も限られ、平日はランチしか出来ないという。
来月には隣にある空き家に薪ストーブの店!を開くとも言う。
そんな話を聞くと、趣味の延長でやっているのでは、とも思えてくる。
それはそれで結構なことだが、肝心の自然派志向のフレンチ料理はどうなるのだろうか。
合う人にはハマる店だと思うが、私には普通のフレンチの料理が合う。
決してこの店の料理が不味いという意味でないけどね。
築百年の古民家でオーガニックなフランス料理を味わう、そんな感じの店かな。
ごちそう様でした。
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