築百年の古民家で味わうフレンチ「エスカリエ」【岐阜県瑞浪市】

築百年の古民家で味わうフレンチ「エスカリエ」【岐阜県瑞浪市】

 

 

岐阜県の瑞浪市にあるフランス料理屋「ベルエキップ」でランチしたのは、つい先週のこと。

実は店を探している時に、もう一軒気になる店があったのだ。

その気になる店とは「ビストロ エスカリエ」という店で、この店のウリは築百年の古民家ということと、自然派志向ということ。

 

そんなことを奥殿に話したら、ぜひ行きたいとのこと。

幸いというか、雨で予定していたことが流れてしまったので、二週続けて瑞浪まで出かけてきた。

 

雨の中をバキューンとかっ飛んで到着したのが、ここ「エスカリエ」。

築百年と言っても、それほど古ぼけた印象はない。

ちょっと古い民家、といった印象。

 

以前はそば屋だったから、それなりに手が入っているのだろう。

玄関の左側のガラス張りの部屋が、麺打ち場だったようだ。

 

店は靴を脱いで上がる作り。

玄関内にはこんな看板が立てかけてある。

野菜は無農薬で、しかも自分たちで栽培しているという自然派志向。

後でママから聞いた話だが、自分たちで野菜が作りたくて、それで名古屋の店を閉めて瑞浪の地に移転してきたとか。

理想を追求して引っ越すなんて、なかなか出来ないことだ。

 

肉も畜産の肉ではなく、野生の肉(ジビエ)を使っていることに驚く。

しかも自分たちで獲ってくるとか。

猟師だね。

 

店内はテーブルがぎっしり詰められている。

しかも椅子がハイバックなので、圧迫感がある。

もう少しテーブルを減らして、席の間隔を空けた方がリラックスできると思うのだけど、店の都合もあるのだろう。

 

我々は窓側の席を進められた。

部屋の作りから言えば ”縁側” だ。

 

ランチのメニューは3種類(1,600円~2,000円)。

メインディッシュの違いによって3種類になるのであって、前菜やサラダなどは全て同じ物が付いてくる。

 

私は鹿肉のパートブリック(春巻き)を、奥殿は美濃海老のコートレット(カツのこと)をオーダーした。

それにしてもフランス料理のメニューは難しい。

メニューだけではどんな料理か想像がつかないから、ママの説明がないと選べない。

なおデザート(デゼール)は別で、プラス400円とのこと。

 

先ずは前菜が運ばれてきた。

スズキのカルパッチョ。

 

下にひかれているのはご飯?だったと思うけど、冷製のためふっくらとした感じはなく、芯の残ったご飯のようだった。

スズキは美味しかっただけに、ちょっと残念。

見た目は美しくて、今風に言えば ”インスタ映え” はする。

 

パンはバケット。

ごく普通のバケットで、おそらく市販品。

オリーブオイルと塩、それにコショー!が付いてきた。

オリーブオイルではなくバターが欲しい。

 

スープ。

ジャガイモ(キタアカリ)のスープで、冷製。

 

画像では量がよく分からないが、量は極小。

そのためスプーンもティースプーンが出されたが、こんなのは初めて。

スープの味がどうのと言うより、あまりにも少なくて味わう間もない。

スープ用のスプーンならひと口で終わってしまう量。

この量は ”お子ちゃま” 用だ。

 

今までに例のない極小のスープで、どうしてこんなことをするのだろうか。

コストの問題ならいっそ出さない方が気が利いている。

しかもスープをティースプーンで飲ませるなんて、論外。

ワインをお猪口で飲ませるようなものだ。

 

サラダ。

レタスを盛っただけのもの。

 

無農薬の自家製らしいけど、感激するようなことはない。

オーガニック志向の方なら違いが分かるのかもしれないが、その方面に興味のない私なので、違いが分からない。

それよりもうちょっと料理らしいサラダにして欲しいというのが、正直な感想。

 

ここから待たされたけど、席数にスタッフの数が追いついていない感じ。

客席もママが一人で対応しているが、明らかに手が回っていない。

ママはとても良く気が付くし、笑顔も素敵なクレバーな人だけど、物理的に手が回らないのだ。

我々もパンの追加や水が欲しかったのだが、忙しそうにしているママを見ると頼むのも気が引けてしまい、頼むのを遠慮してしまった。

 

我々はまだマシな方で、後から入ったお客さんはオーダーが済んでもかなり待たされていた。

皆さん大人の対応で何も言わないが、ちょっと不満そう。

これでは店にとってもマイナスだから、スタッフを増やすか客席を減らすしかないと思う。

 

だいぶ間があってから運ばれてきたメインディッシュ。

美濃鹿のパートブリックという料理だけど、鹿肉の春巻きと言った方が早い。

ママに「鉄砲で撃ってきたの?」と言ったら、ワナで獲ったものだとか。

 

鹿肉はミンチ状になっていた。

脂っ気のないパサついた感じなのは野生肉の証しだが、旨いかどうかはまた別の話し。

獣臭さは無いが、野生の旨味が感じられないことも事実。

この辺りは難しいところで、野生の旨さと獣臭さとは紙一重の世界。

 

ただし、むかし猟師の家で食べた鹿はもっと旨かったし、ミンチ状にしたものではなく、肉そのものを炙った状態で出された。

比べてはいけないのだろうが、鹿肉の鮮度が違うのだろうと思う。

同じジビエ料理と言ってもいろいろあるものだ。

 

奥殿オーダーの美濃海老のナンチャラの画像は、撮り忘れ。

美濃海老って聞いたことがないけど、芝海老ほどの極小の海老で、海老の味はするけど海老を食べている感覚は無かったとのこと。

 

デザート。

ガトーショコラにりんごのアイス(シャーベット)とパイナップル。

店屋物を盛り付けただけといった感じで、これで400円は微妙。

ケーキは固くてナイフが欲しいほどで、作ってから日が経っているのでは。

 

コーヒー。

苦味の効いたビターなコーヒー。

以上でランチは終了。

 

この店の評価は難しい。

オーガニックな食材を使っているということで、自然派志向の方には受けがいいかもしれないが、そういう方にとって野生肉(ジビエ)を受け入れられるのだろうか。

野菜を自分の畑で育て、肉は山で獲ってくるというコンセプトは素晴らしいが、その理想に現実が追いついていない気がした。

 

そのため営業時間も限られ、平日はランチしか出来ないという。

来月には隣にある空き家に薪ストーブの店!を開くとも言う。

そんな話を聞くと、趣味の延長でやっているのでは、とも思えてくる。

それはそれで結構なことだが、肝心の自然派志向のフレンチ料理はどうなるのだろうか。

 

合う人にはハマる店だと思うが、私には普通のフレンチの料理が合う。

決してこの店の料理が不味いという意味でないけどね。

 

ビストロ・エスカリエ

 

築百年の古民家でオーガニックなフランス料理を味わう、そんな感じの店かな。

ごちそう様でした。

 

 

 

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