田舎のガード下にある「鮨処 よし田」が満席になる訳【豊田市】

田舎のガード下にある「鮨処 よし田」が満席になる訳【豊田市】

 

寿司が食べたいと奥殿がご所望。

しかもカウンターで握りがいいとの仰せ。

 

今は回転寿司に押されまくって、粋に寿司を食べさせてくれる店が激減。

名古屋ならそれなりの店もあると思うが、遠いし、それに値段もそれなりになる。

 

値打ちに旨い寿司が食べたいという、そんな二律背反の希望を叶えてくれる店があるのか?

それが有る。

豊田市の保見町にある「鮨処 よし田」で、旨い寿司を粋にしかもお値打ちに出してくれる、ありがたい鮨屋なのだ。

 

ここが「鮨処 よし田」。

開店時間前に到着したのだが、既に待っている人もいる。

今日は予約で満席なので、待つ必要もないのにこの盛況ぶり。

この店の人気のほどが知れる光景だ。

 

実は我々は予約が取れないという、瀬戸際のところだった。

思い立って直ぐに予約を入れたのだが、席が一席しか空いていないという。

 

そこをナントカと拝み倒して、補助席でも良ければということでギリギリ予約できた。

やはりちゃんとした寿司が食べたいというお客さんは確実にいるもので、田舎のガード下の寿司屋というのに、みなさんよくご存知だ。

 

店はこんなロケーションの中にある。

左側の車が止まっている所が店で、右奥(矢印のところ)が愛環鉄道の保見駅。

駅の近くとは言え、店はガード下だし、目の前は田んぼというおよそ寿司屋が有るような場所ではない。

 

そんな場所でも予約で満席になるのだから、本物の寿司を求めている人は居るのだ。

そういう人は全体から見れば少数かも知れないが、決して裏切らない客ばかりなので、店も末永く続けて欲しいと切に願う。

 

開店時間になりオープン。

開店と同時に入ったが、出前用の寿司が既に握られていて、それを受け取りに来た人もいる。

要するに店の開店前から店内では仕事が始まっていたということで、店の人も大変だ。

 

この店では「おまかせ握り」しか頼んだことがない。

他のものを頼んだことがないが、これで不満を感じたことは一度もない。

 

それどころか出される鮨はビックリするほど旨いから、心配は無用。

それとお任せの正確な料金は未だに知らないが、格安な料金なのでこちらも心配無用だ。

 

突き出しは芽かぶ。

今の時期の芽かぶは特に美味しい。

 

軽く一杯。

う~ん、ビールが美味い。

これで寿司を食べる ”戦闘態勢” は整った。

ドンと来い「鮨 よし田」の寿司たちよ、って勝負ではないけどね。

 

初手はイカから。

ネットリとしたイカが甘い。

この一貫を食べた奥殿からは、この寿司屋さん旨いねとのことで、ご同慶の至り。

 

続いて天使の海老握り。

天使の海老はこの店のウリの一つで、コレが旨い。

 

奥殿もこんなエビの握りは初めてとのこと。

海老といえば車海老が多いが、この店ではこの天使の海老が出される。

 

焼き立ての玉子。

店で玉子を焼くのが素晴らしい。

玉子を店で焼くのは寿司屋の矜持だ。

 

まぐろ。

マグロの味が濃い。

水っぽく無くて、しっかりとした味がする。

 

それとシャリがほんのりと暖かい。

これは江戸前の特徴で、寿司は冷たいものではなく少し暖かいものだ。

そのことを大将に話せば「はい、江戸前鮨はそういうものです」とのことで顔がほころんで嬉しそう。

 

こちらがそのマスター。

東京理科大卒の ”理系” 寿司職人だ。

 

平目。

肉厚な平目というのがお分かりだろうか。

 

身が締まった平目で、旨い。

それと江戸前なので寿司にはしょう油が塗られているから、のぞきは要らない。

 

学生ぐらいの若いカップルの客が来た。

彼らの年代だと普通は回転寿司へ行ってしまうが、この店へ来るのが立派。

本物の寿司を食べに来るのがいい。

 

ある店のマスターが言っていたけど、若い人は本物の味を知るべきだと。

若いうちに味覚を育てておかないと、本物の旨さが分からなくなるからというのだが、それは本当だ。

 

TVなどを見ていると、回転寿司へ子供や孫を連れて行く年配の人がいるが、年配の人こそ ”本物” の店へ連れて行って欲しいと思う。

そういう年配の人は、ご本人も回転寿司が好きなのだろうけど、なんか寂しいね。

 

煮アワビ。

アワビが好きな奥殿は、ここのアワビがとても柔らかいのに驚いていた。

 

大トロ。

南まぐろの大トロで、悶絶級の旨さ。

大トロでありながら全くしつこさがなく、上品な甘ささえ感じる。

 

なんなんだ、この旨さは。

鮨の旨さの奥深さにノックアウトだ。

 

こんな寿司が出されれば、お酒だ。

銘柄は八海山の純米吟醸。

透明感のあるスッキリとした味わいで、寿司を摘みながら飲むにはとてもいい雰囲気。

 

軍艦三種。

イクラは大粒で玉子の味がするという旨さ。

ウニはトロケルような味わいで、素晴らしい。

右の軍艦はマグロの中落ちで、さっきの大トロの中落ちとかで、これまたすごく旨い。

 

どうしましょう、こんなうまい鮨で。

お腹が膨れなければエンドレスで食べ続けたいほどだ。

 

穴子。

煮穴子の握りで、フワッと握られたシャリとの相性もバッチリで口の中で溶ける感じ。

シャリの握り加減の微妙さがいいネ。

 

これで締めですと出されたのが、鉄火と沢庵。

これも巻き加減が絶妙で、口の中でバラける感じの巻きが素晴らしい。

鉄火もトロ鉄火の感じだし、沢庵も一緒に巻かれた紫蘇の香りが口直しになり、〆の握りにふさわしい。

 

これで締めてもいいのだが、最後に食べたいものがある。

それは干瓢巻。

最後は干瓢巻を頼むのが私なのだ。

甘じょっぱい干瓢にシャリ、それに海苔のコラボレーションが好きなのだ。

 

エビの出汁の効いた味噌汁も旨い。

全ての味のレベルが高いところで揃ってる。

 

アレは旨いけどコレがちょっとね、ということが全く無いのがこの店の実力。

出来る人は何を握っても美味しいのだ。

 

デザート。

濃厚なアイスクリームで、こういうところは女性に受けるのだろう。

 

いや~実に美味しかった。

値段のことを言っては失礼かもしれないが、これで二人で8,400円。

 

ビールもお酒も追加の干瓢巻も含んでの値段で、一人あたり4,200円という大バーゲンプライス。

しかもあれ程のうまい鮨なのだから、驚くほかない。

予約で満席というのも納得だ。

 

この勝負、完全に大将の勝ち。

参りました、また寄らせていただきます。

 

鮨処 よし田(食べログ)

 

美味しかった、&満腹でごちそう様でした。

 

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