素晴らしく美味しいフレンチの「ベルエキップ」【岐阜県瑞浪市】

素晴らしく美味しいフレンチの「ベルエキップ」【岐阜県瑞浪市】

 

 

奥殿の気に入っていた、ご飯茶碗が割れたとのこと。

陶器の食器は塩気や酢、熱などには滅法強いけど、欠点は割れること。

で、新しい茶碗が欲しいとのことで、美濃焼の産地である岐阜県の瑞浪みずなみ市へ出向いてきた。

 

せっかく瑞浪へ行くのだから、美味しいものでも食べていこうと探したのが「ベルエキップ」という店。

フランス料理の店だ

この店の料理がビックリするほど旨かったので、ご紹介したい。

 

店は、R.19から瑞浪ICに向かう道筋にある。

道筋とは言え、一本奥に入った所にあるから表通りからは全く見えないし、目立たない。

5~6軒ほど並んでいる貸店舗の一角にある。

駐車場は店舗前にズラリと並んでいるから、車を停めるのには困らない。

豊田市からは下道でも1時間ちょっとの距離。

 

開店時間(11:30)ぴったりに入ったから、一番客。

予約していたので急ぐ必要はなかったのだが、ピッタリの時間に着いてしまった。

ランチメニューは黒板に書かれている通り。

 

別料金になるけど、フォアグラやルーアンの鴨、オマール海老などの料理も出来ますとのことで、腕にかなり自信のあるシェフのようだ。

それよりも、それだけの食材が揃えてあることに驚く。

 

と言うのも、ここ瑞浪市は人口が4万人にも満たない地方の小都市。

そんな街にある店なのに、常にこれほどの食材が揃えてあるということは、それを食べる客がいるということ。

 

私の住んでいる豊田市は人口が40万人を超えるが、そんな料理を求める人が果たして何人いるだろうか。

そう思うと豊田市の食文化は、未だ発展途上中ということだ。

 

店は小さい。

小上がりの席が2卓(3卓?)に半個室が2部屋だけで、十数名しか入れない。

※これは小上がりの席。

我々に用意されていたのは半個室の部屋で、四人用の部屋だ。

 

テーブルには革製(クラリーノ?)のクロスと箸置。

コンパクトな部屋だけど、二人で座るには余裕で居心地はとても良い。

 

カトラリーは沢山用意されていて、料理ごとに取り替えられるようになっている。

そう思うと箸は要らない気もするが、用意されているのを見ると箸の要望が多いということか。

 

事前に頼んでおいたのはベルコース(2,280円)。

予約時のマスターとのやり取りで、このコースでどうでしょうかと薦められたもの。

結論から言えば、質も量もこれで十分に満足できる。

 

というか、料理の質の高いことには、心底驚かされた。

肉も野菜も魚も、その素材の持つ味の良さがしっかりと引き出され、素晴らしく旨いのには驚くばかりだ。

 

前菜。

パイ生地で作られたキッシュには、野菜(じゃが芋?)とひき肉が入れられて焼かれている。

 

添えられた野菜もとても新鮮。

生ハムも熟成されたもので、とても深い味わい。

イチジクを巻いて食べれば、イチジクの甘い味が加わり、得も言われぬ甘味な味わい。

 

なんなん、この旨さは。

これが前菜とは思えないほどのボリュームと旨さ。

金額のことを言って恐縮だけど、とても二千円クラスのランチの味ではない。

奥殿もこの味の良さにビックリしている。

すごい店があるものだ。

 

熱々で饗されたパン。

白ごまのパンで、もちろん自家製。

小麦本来の味がして、ここの料理にピッタリ合う。

 

米粉のパンが好きな方には申し訳ないが、パンはやはり小麦のものに限る。

好き嫌いもあると思うけど、米粉のパンはやはり無理して作ってる気がするのだ。

 

パンが美味しいのでパクパクと食べていれば、お代わりはどうですか?。

パンはおかわり自由とのことだ。

二皿目のパンはカレー味のパン。

カリッとした感じに焼けていて、これも美味しい。

 

次出された料理は、意表を突いてパスタ。

貝とイカスミのパスタで、細麺のフェデリーニ。

 

イカ墨の濃厚な味に、ムール貝などの貝類の味も加わり、複雑でコクの深い味に仕上がっている。

パスタもダラケた感じの全く無いアルデンテで、素晴らしい。

 

フレンチだからパスタは邪道ということはなく、日本料理にだって牛肉の料理もあるのだから。

それにフランス人だってパスタを食べるしね。

 

ここまででかなり満足してしまっているが、いよいよメインディッシュの出番。

 

これは私のオーダーした肉料理で、牛ほほ肉(チーク)の赤ワイン煮込み。

これが抜群に旨かった。

 

赤ワインで煮込んだだけとは思えず、その前の仕込みが十分にされている味に思える。

もしかすると、マリネされているのかも。

ナイフを入れれば、繊維に沿ってホロッと崩れるように切れてしまう柔らかさ。

少し酸味のあるソースとの相性も抜群で、肉ってこんなに旨いのかというひと皿。

ワインが欲しいところだが、車なので飲めないのが恨めしい。

 

こちらは奥殿オーダーの「スズキのポアレ」。

画像では分かりにくいが、肉厚のスズキで、かなりのボリューム。

これはこれでとても美味しかったとのことだが、牛肉のほうがインパクトがあったそうだ。

 

とは言え、こんなに美味しい魚料理はなかなか味わえないと言っていたから、かなり美味しかったのだと思う。

店のママが言うには、本来は刺身用とのこと。

夜のアラカルトなら、マリネで出してくれそうな雰囲気。

 

パンの代わりにご飯もあるとのことだったので、ご飯をもらった。

一口サイズのお椀に盛られたご飯がオシャレ。

 

この器は変わった形をしていて、横から見るとこんなの。

この店で使っている器は全て「みずなみ焼き」とのこと。

さすが焼き物の産地だ。

 

デザート(デゼール)。

焼き菓子の上に、旬の栗を練り込んだアイスクリームに生クリームのデゼール。

 

フレンチの王道を行くフィニッシュで、これほど手の込んだ物を出してくるとは、凄腕のシェフ。

これを食べれたことで、今年は栗きんとんを味わなくてもいいのでは、とすら思える。

それほど美味しいデゼールだった。

 

コーヒー。

ガーガーと音がしていたから、丁寧に豆から挽いて淹れているようだ。

コーヒーの代わりに紅茶もあるとのこと。

 

それにしても多治見や土岐、それに瑞浪という東濃には、何故これほどいい店があるのだろうか。

多治見には「カフェ ド ドルチェ」があるし、瑞浪には和食の「きん魚」もある。

 

こちらの人たちの食文化の意識が高いのだろうけど、それにしても不思議。

志野・織部の産地ということで、昔から器に対する美意識が磨かれ、その延長線で食文化も高くなったのだろうか。

 


 

話は入店した時に戻るが、我々に続いて入ってきたのは、後期高齢者のご婦人二人。

駐車場に車を停めるのも「大丈夫?」という感じのご婦人が、フランス料理を食べに来ること自体が驚き。

 

それが着飾った感じの人ではなく、ちょっと腰の曲がったお婆さんがフレンチレストランに来るとは。

子供か孫に連れられて来るのなら分かるが、お婆さんたちだけで来るのがスゴイ。

 

 

更に驚くのは二人の会話。

「きのうタリーズ・コーヒーへ行って、チーズケーキを食べてきた」、って!

 

豊田の感覚だと、この歳の人が行くのはコメダだ。

二人の姿からは想像も付かない会話に、言葉も出ない。

瑞浪の人の外食好きに、恐れ入りました。

 


 

いや~、適当に見つけて行った店だったけど、素晴らしい店だった。

こんな美味しい料理を出してくれたのが、この人。

帰り際、挨拶に来てくれたところをいきなり写真を、とお願いしたので、ちょっと緊張してしまったようだけど、長身のいい感じのシェフ。

 

⇒ ベルエキップ(食べログ)

 

奥殿もとても感激したようで、また行きたいとのこと。

美味しい料理を、ごちそう様でした。

 

 

 

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