素晴らしく美味しいフレンチの「ベルエキップ」【岐阜県瑞浪市】
- 2017.10.16
- 岐阜県
奥殿の気に入っていた、ご飯茶碗が割れたとのこと。
陶器の食器は塩気や酢、熱などには滅法強いけど、欠点は割れること。
で、新しい茶碗が欲しいとのことで、美濃焼の産地である岐阜県の瑞浪市へ出向いてきた。
せっかく瑞浪へ行くのだから、美味しいものでも食べていこうと探したのが「ベルエキップ」という店。
フランス料理の店だ
この店の料理がビックリするほど旨かったので、ご紹介したい。
店は、R.19から瑞浪ICに向かう道筋にある。
道筋とは言え、一本奥に入った所にあるから表通りからは全く見えないし、目立たない。
5~6軒ほど並んでいる貸店舗の一角にある。
駐車場は店舗前にズラリと並んでいるから、車を停めるのには困らない。
豊田市からは下道でも1時間ちょっとの距離。
開店時間(11:30)ぴったりに入ったから、一番客。
予約していたので急ぐ必要はなかったのだが、ピッタリの時間に着いてしまった。
ランチメニューは黒板に書かれている通り。
別料金になるけど、フォアグラやルーアンの鴨、オマール海老などの料理も出来ますとのことで、腕にかなり自信のあるシェフのようだ。
それよりも、それだけの食材が揃えてあることに驚く。
と言うのも、ここ瑞浪市は人口が4万人にも満たない地方の小都市。
そんな街にある店なのに、常にこれほどの食材が揃えてあるということは、それを食べる客がいるということ。
私の住んでいる豊田市は人口が40万人を超えるが、そんな料理を求める人が果たして何人いるだろうか。
そう思うと豊田市の食文化は、未だ発展途上中ということだ。
店は小さい。
小上がりの席が2卓(3卓?)に半個室が2部屋だけで、十数名しか入れない。
※これは小上がりの席。
我々に用意されていたのは半個室の部屋で、四人用の部屋だ。
テーブルには革製(クラリーノ?)のクロスと箸置。
コンパクトな部屋だけど、二人で座るには余裕で居心地はとても良い。
カトラリーは沢山用意されていて、料理ごとに取り替えられるようになっている。
そう思うと箸は要らない気もするが、用意されているのを見ると箸の要望が多いということか。
事前に頼んでおいたのはベルコース(2,280円)。
予約時のマスターとのやり取りで、このコースでどうでしょうかと薦められたもの。
結論から言えば、質も量もこれで十分に満足できる。
というか、料理の質の高いことには、心底驚かされた。
肉も野菜も魚も、その素材の持つ味の良さがしっかりと引き出され、素晴らしく旨いのには驚くばかりだ。
前菜。
パイ生地で作られたキッシュには、野菜(じゃが芋?)とひき肉が入れられて焼かれている。
添えられた野菜もとても新鮮。
生ハムも熟成されたもので、とても深い味わい。
イチジクを巻いて食べれば、イチジクの甘い味が加わり、得も言われぬ甘味な味わい。
なんなん、この旨さは。
これが前菜とは思えないほどのボリュームと旨さ。
金額のことを言って恐縮だけど、とても二千円クラスのランチの味ではない。
奥殿もこの味の良さにビックリしている。
すごい店があるものだ。
熱々で饗されたパン。
白ごまのパンで、もちろん自家製。
小麦本来の味がして、ここの料理にピッタリ合う。
米粉のパンが好きな方には申し訳ないが、パンはやはり小麦のものに限る。
好き嫌いもあると思うけど、米粉のパンはやはり無理して作ってる気がするのだ。
パンが美味しいのでパクパクと食べていれば、お代わりはどうですか?。
パンはおかわり自由とのことだ。
二皿目のパンはカレー味のパン。
カリッとした感じに焼けていて、これも美味しい。
次出された料理は、意表を突いてパスタ。
貝とイカスミのパスタで、細麺のフェデリーニ。
イカ墨の濃厚な味に、ムール貝などの貝類の味も加わり、複雑でコクの深い味に仕上がっている。
パスタもダラケた感じの全く無いアルデンテで、素晴らしい。
フレンチだからパスタは邪道ということはなく、日本料理にだって牛肉の料理もあるのだから。
それにフランス人だってパスタを食べるしね。
ここまででかなり満足してしまっているが、いよいよメインディッシュの出番。
これは私のオーダーした肉料理で、牛ほほ肉(チーク)の赤ワイン煮込み。
これが抜群に旨かった。
赤ワインで煮込んだだけとは思えず、その前の仕込みが十分にされている味に思える。
もしかすると、マリネされているのかも。
ナイフを入れれば、繊維に沿ってホロッと崩れるように切れてしまう柔らかさ。
少し酸味のあるソースとの相性も抜群で、肉ってこんなに旨いのかというひと皿。
ワインが欲しいところだが、車なので飲めないのが恨めしい。
こちらは奥殿オーダーの「スズキのポアレ」。
画像では分かりにくいが、肉厚のスズキで、かなりのボリューム。
これはこれでとても美味しかったとのことだが、牛肉のほうがインパクトがあったそうだ。
とは言え、こんなに美味しい魚料理はなかなか味わえないと言っていたから、かなり美味しかったのだと思う。
店のママが言うには、本来は刺身用とのこと。
夜のアラカルトなら、マリネで出してくれそうな雰囲気。
パンの代わりにご飯もあるとのことだったので、ご飯をもらった。
一口サイズのお椀に盛られたご飯がオシャレ。
この器は変わった形をしていて、横から見るとこんなの。
この店で使っている器は全て「みずなみ焼き」とのこと。
さすが焼き物の産地だ。
デザート(デゼール)。
焼き菓子の上に、旬の栗を練り込んだアイスクリームに生クリームのデゼール。
フレンチの王道を行くフィニッシュで、これほど手の込んだ物を出してくるとは、凄腕のシェフ。
これを食べれたことで、今年は栗きんとんを味わなくてもいいのでは、とすら思える。
それほど美味しいデゼールだった。
コーヒー。
ガーガーと音がしていたから、丁寧に豆から挽いて淹れているようだ。
コーヒーの代わりに紅茶もあるとのこと。
それにしても多治見や土岐、それに瑞浪という東濃には、何故これほどいい店があるのだろうか。
多治見には「カフェ ド ドルチェ」があるし、瑞浪には和食の「きん魚」もある。
こちらの人たちの食文化の意識が高いのだろうけど、それにしても不思議。
志野・織部の産地ということで、昔から器に対する美意識が磨かれ、その延長線で食文化も高くなったのだろうか。
話は入店した時に戻るが、我々に続いて入ってきたのは、後期高齢者のご婦人二人。
駐車場に車を停めるのも「大丈夫?」という感じのご婦人が、フランス料理を食べに来ること自体が驚き。
それが着飾った感じの人ではなく、ちょっと腰の曲がったお婆さんがフレンチレストランに来るとは。
子供か孫に連れられて来るのなら分かるが、お婆さんたちだけで来るのがスゴイ。
更に驚くのは二人の会話。
「きのうタリーズ・コーヒーへ行って、チーズケーキを食べてきた」、って!
豊田の感覚だと、この歳の人が行くのはコメダだ。
二人の姿からは想像も付かない会話に、言葉も出ない。
瑞浪の人の外食好きに、恐れ入りました。
いや~、適当に見つけて行った店だったけど、素晴らしい店だった。
こんな美味しい料理を出してくれたのが、この人。
帰り際、挨拶に来てくれたところをいきなり写真を、とお願いしたので、ちょっと緊張してしまったようだけど、長身のいい感じのシェフ。
⇒ ベルエキップ(食べログ)
奥殿もとても感激したようで、また行きたいとのこと。
美味しい料理を、ごちそう様でした。
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