感動する料理は手間のかけかたで決まる
- 2023.03.27
- 家飲み/家食べ

雨に降り込まれたこの週末。
ツーリングに行く予定だったけど中止だ。
オープンエアツーリングに最適な時期でも、雨には勝てない。
2週続けてツーリングの予定が流れてしまい、残念至極。
予定では丘陵地の快走路を駆け抜け、山間地にある小じゃれたカフェでモーニング。
そこからさらにワインディングを流して、昼は蕎麦の予定だったけどね。
雨が恨めしくもなるが雨も降らないと困るから、ここは潔く諦め、昼飲みに徹する。
その前に買い物の手伝いがあるが、ツーリングが流れたので時間はたっぷりある。
ゆっくりと支度をし、出かけたのは昼過ぎ。
雨降りのためかスーパーマーケットも空いていて、いつもは必要なものを買ったらさっさと引き上げるのだけど、時間があるのであっちこっちを覗き見。
それで見つけたのは生わかめ。
もう生わかめのシーズンは終わったかと思っていたけど、まだ出ていて、予定外だけど買ってしまった。
生わかめは足が速いので、買ってきたら早々に食べないといけない。
今日は天ぷらと寿司にするつもりだったが、予定を変更して生わかめと豚肉でシャブシャブにすることにした。
雨降りでちょっと小寒いから、鍋料理がいいからね。
生わかめは袋に沢山入っていた。
その中の一筋を出すだけでこの量。
これを適当な大きさに切って盛り付ければ準備は完了。
こんな感じで盛り付けた。
ここには写っていないが、生わかめはもう一皿ある。
豚肉はスペイン産のバラ肉で、極薄にスライスされていてこれが素晴らしく旨い。
あとは湯にくぐらせて食べるだけ。
シャブシャブは材料を盛るだけで、調理の部分がない。
手間がかからない気楽な料理なのだ。
いま日経新聞の「私の履歴書」を書いているのは、JR九州・元社長の唐池さん。
その唐池さんが号令をかけて作り上げたのが、豪華寝台特急の「ななつ星」。
列車もイチから設計して作り、内装も設えも細部までこだわった寝台特急。
よくある既存の列車に手を加えて作った観光列車とは、”思い” が違うのだ。
列車内で出される料理にも、唐池さんの思いが貫かれている。
その唐池さんがこだわったのは、お客さんに感動してもらうことで、それは料理にもおよぶ。
料理で人を感動させることとは、いかに「手間」をかけるかで決まるという。
単に美味しいとか盛り付けが綺麗なだけでは、人を感動させるまでには至らないと言うのだ。
ある有名な寿司屋にななつ星の車内で寿司を出してもらうのだが、揺れる列車内で寿司を握るのはなかなか大変なこと。
その寿司屋の主人から、事前に握ったものを列車に積み込み、それを提供してはどうかとの提案。
それを聞いた唐池さんは、「握りたてと事前に握ったものと、どちらが旨いですか」と言えば、その主人も即座に理解してくれて、ななつ星の車内で提供される寿司は、全てその場で握って提供することになったとか。
他にもある有名料亭の料理を出す予定だったのだが、その料理のメインが刺身。
料理の方向が「素材の良さを生かし、手間をかけない」ことに変化していったのだ。
食べれば確かに美味しいのだけど、唐池さんの求める手間をかけた ”感動” がないのだ。
極端に言えば、刺し身は魚を切って盛るだけ。
唐池さんは料亭の主人にそのことを話し、結果ななつ星のプロジェクトから降りてもらったという徹底ぶり。
そうして完成したななつ星は、高額な料金(3泊4日で一人 115万円~170万円、2名一室、2023年現在)にもかかわらず、常に満席に。
こうした思いが貫かれ、日本で一番予約の取りづらい列車に。
そこには乗務員のおもてなしから料理に至るまで、すべてに人の ”手間” がかかった感動があるのだ。
話が大袈裟になってしまい、恐縮。
家のご飯も、手間をかけたかどうかで与える感動は違ってくる。
感動とまではいかなくても、手間をかけて作ったものには心がこもっていると思う。
今はなるべく手間をかけず、惣菜を買ってきて済ませるとか、料理を盛り付けるにしても、洗い物が減るという理由でワンプレートに盛ってしまうことも多い。
忙しいから効率を優先するのも仕方がないと思うが、手間をかけずに済ませることを優先し過ぎではと。
それはそうと、生わかめのしゃぶしゃぶは美味しい。
ゴマだれとポン酢を合わせたタレで食べているけど、シャキッとした生わかめによく合う。
それと薄切りの豚シャブも実に美味しい。
あまりにも美味しくて、生わかめも豚肉も追加の二皿目。
〆はうどんを入れて終わりにしたけど、満腹。
ツーリングには行けなかったけど、シャブシャブが美味しかった。
満腹様で、ごちそう様。
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