想像を超える旨さだった「了息庵」の豆腐料理-②【恵那市・山岡】
- 2023.11.14
- 岐阜県

岐阜・恵那市の山岡にある豆腐料理屋の「了息庵」。
そこは携帯の電波も入らず、Googleマップも使えないような場所。
ここがその了息庵で別荘風にも見えるが、見る角度によっては荒んだ小屋にも見える。
そんな山奥の豆腐料理屋なのだが、これがなんと予約満席で、我々も3ヶ月待ってようやく入れた。
そんな外観とは裏腹に、店内は意外なほどにマトモ(失礼)。
そして感じの良い店主に迎えられ、早速料理のスタートだ。
先ずはお茶を一服。
美味しいほうじ茶で、しみじみと美味しい。
まず出されたのは寄せ豆腐。
青大豆と白い大豆を使った2種類の寄せ豆腐で、盆に乗せられた薬味全てを使って味わう。
薬味は多種あり、生姜に細ネギ、ゆずに岩塩、ミョウガに出汁醤油があって、それぞれをかけながら味わう。
作りたての豆腐はとても滑らかで、そしてクリーミー。
溶けるように吸い込まれていく。
二品目は豆腐で作った茶碗蒸し。
紅葉真っ盛りの、少し肌寒い季節にはピッタリの料理で、心も温まる。
豆腐と豆乳だけで作られた茶碗蒸しは、尖ったところが全く無く、全てが優しい味。
そしてめちゃめちゃ美味しい。
この茶碗蒸しの器は伊万里焼きかと尋ねれば、中国の景徳鎮とのこと。
この店主は器にもこだわりがあるようで、初めに出された急須と湯呑みも作家ものとのこと。
そんな話をしながらセットされたのがこれ。
御釜で使っていた蓋が裏返してあるが、湯豆腐を持ってくるとのこと。
そして出されたのが土鍋に盛られ、沸騰した熱々の湯豆腐。
店主自ら取り分けてくれる。
これがその湯豆腐。
水菜とワカメが添えられ、つゆに浸して食べてもいいし、つゆを掛けてもいいとのこと。
単純な料理ではあるけど自然を感じる味。
そして何よりも豆腐自体がとても美味しく、極端に言えば甘いとさえ感じる。
この湯豆腐に使われた土鍋も作家物とかで、信楽で窯を構える中川一辺陶さんのものとか。
そう言われても私には知識がないので、どの程度のものなのか分からない。
そんなことを店主に話せば、店主が修行した京都では、一辺陶さんに器を作ってもらうのが一つのステイタスだという。
そんな一辺陶さんに器を作ってもらう、ここの店主の力量も大したものだと思う。
ちなみに急須も作家さんのものとか。
そう言われると、これもいい感じの急須だ。
そんな話をしながら、焼き台では何かを焼き始めていた。
決して慌てず、ゆったりと料理が進むのが心地いい。
この ”間” というか”溜め” というか、それがあるので寛げるし、出された料理にも集中できる。
これが次から次へ出されると、食べることに疲れてしまうし、出された料理の余韻に浸る間もない。
そのため一つ一つの料理が深く味わえない。
この店の醸す味わいは、この ”間” にもあるのかも。
焼き台で焼かれていたのは、豆腐田楽だった。
今までの地味目な料理とは違い、一転して華やかな盛り付けで目でも楽しめる。
画像でははっきりしないが、青大豆と普通の大豆の二種の豆腐が焼かれている。
炙られた豆腐に味噌の田楽がよく合い、とても美味しい。
お酒が飲めないのがとても残念だが、こんなのをアテに熱燗でキュッといけたら天国だ。
そんなことを店主に話せば、美味しい地酒もありますよと。
次回は運転手を伴ってどうぞと言われるが、それが難しくてね。
これは豆腐をおからで包んで揚げたものに、餡をかけた椀物。
表面を焦がさないように揚げてあるので、言われなければ揚げ物とは分からないほどの微妙な揚げ加減。
手の込んだひと品で、知らなければ豆腐とは思えないほど。
こんな料理今までに食べたことがないが、素晴らしく美味しいのだ。
こちらはおからを使った麺。
まるでうどんのようで、食べた感じも讃岐うどん。
讃岐うどんより腰がある感じで、どうやったらおからがこんな美味しい麺になるのか。
作り方は分からないけど、食べればとにかく美味しいのだ。
揚げ出し豆腐。
とても水分の多い豆腐なので、大量の油で一気に揚げたものという。
大量の油ってどれぐらいですかと聞けば、5リットル程の油というからすごい量だ。
水分の多い豆腐を揚げるには、それぐらいの大量の油でないと油のハネが凄まじく、恐ろしくて揚げられないらしい。
この揚げ出し豆腐にはご飯もセットされ、天丼のようにして食べたけど、画像は撮り忘れ。
そのご飯はナンチャラとかいう銘柄米と聞いたけど、名前も忘れてしまったが、美味しいご飯だった。
デザートはフルーツの盛り合わせ。
キウイやいちじく、洋梨にリンゴ、メロンやシャインマスカット、それに巨峰などの盛り合わせで、手の込んだカットがされている。
画像では少ない盛りに見えるが、かなりのボリューム。
喫茶店なら、これだけでも7~800円はするのでは。
そして締めはペルーの豆で淹れたコーヒー。
酸味の少ないまろやかでコクのあるコーヒーで、上等なカフェとしてもやっていけそうなぐらいに美味しいコーヒーだった。
お供には、豆腐をカステラ風に蒸したものが出された。
豆腐がこんなお菓子のような感じにもなるとは、恐れ入りました。
全ての料理を通して思ったのは、どれも破綻のない上等な料理で、まさに豆腐ワールド。
そしてこのコースが3,500円というから、驚きのバーゲンプライス。
絶品の豆腐料理のフルコースが格安で味わえるのだから、予約が殺到するのも当然かと。
そうそう、冒頭でも書いた通りこの店がある所は携帯電話の圏外。
なので営業時間中は電話が繋がらない。
予約をされる方は、店主が自宅に戻った夕方5以降に電話をされることをおすすめする。
⇒ 了息庵(You Tube-みや食べ)
⇒ 了息庵(HP)
こうして3時間の豆腐料理を満喫したけど、とても気持ちのいい時間が過ごせた。
それにしてもスゴイ豆腐料理屋があるものかと。
美味しい豆腐料理で、ごちそう様でした。
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