想像を超える旨さだった「了息庵」の豆腐料理【恵那市・山岡】

想像を超える旨さだった「了息庵」の豆腐料理【恵那市・山岡】

 

阜・恵那市の山岡にある豆腐料理屋の「了息庵りょうそくあん」。

そこは携帯の電波も入らず、Googleマップも使えないような場所。

 

ここがその了息庵で別荘風にも見えるが、見る角度によってはすさんだ小屋にも見える。

そんな山奥の豆腐料理屋なのだが、これがなんと予約満席で、我々も3ヶ月待ってようやく入れた。

 

そんな外観とは裏腹に、店内は意外なほどにマトモ(失礼)。

そして感じの良い店主に迎えられ、早速料理のスタートだ。

 


 

ずはお茶を一服。

美味しいほうじ茶で、しみじみと美味しい。

 

まず出されたのは寄せ豆腐。

青大豆と白い大豆を使った2種類の寄せ豆腐で、盆に乗せられた薬味全てを使って味わう。

 

薬味は多種あり、生姜に細ネギ、ゆずに岩塩、ミョウガに出汁醤油があって、それぞれをかけながら味わう。

作りたての豆腐はとても滑らかで、そしてクリーミー。

溶けるように吸い込まれていく。

 

二品目は豆腐で作った茶碗蒸し。

紅葉真っ盛りの、少し肌寒い季節にはピッタリの料理で、心も温まる。

 

豆腐と豆乳だけで作られた茶碗蒸しは、尖ったところが全く無く、全てが優しい味。

そしてめちゃめちゃ美味しい。

 

この茶碗蒸しの器は伊万里焼きかと尋ねれば、中国の景徳鎮とのこと。

この店主は器にもこだわりがあるようで、初めに出された急須と湯呑みも作家ものとのこと。

 

そんな話をしながらセットされたのがこれ。

御釜で使っていた蓋が裏返してあるが、湯豆腐を持ってくるとのこと。

 

そして出されたのが土鍋に盛られ、沸騰した熱々の湯豆腐。

店主自ら取り分けてくれる。

 

これがその湯豆腐。

水菜とワカメが添えられ、つゆに浸して食べてもいいし、つゆを掛けてもいいとのこと。

 

単純な料理ではあるけど自然を感じる味。

そして何よりも豆腐自体がとても美味しく、極端に言えば甘いとさえ感じる。

 

この湯豆腐に使われた土鍋も作家物とかで、信楽で窯を構える中川一辺陶いっぺんとうさんのものとか。

そう言われても私には知識がないので、どの程度のものなのか分からない。

 

そんなことを店主に話せば、店主が修行した京都では、一辺陶さんに器を作ってもらうのが一つのステイタスだという。

そんな一辺陶さんに器を作ってもらう、ここの店主の力量も大したものだと思う。

 

ちなみに急須も作家さんのものとか。

そう言われると、これもいい感じの急須だ。

 

そんな話をしながら、焼き台では何かを焼き始めていた。

決して慌てず、ゆったりと料理が進むのが心地いい。

 

この ”間” というか”溜め” というか、それがあるので寛げるし、出された料理にも集中できる。

これが次から次へ出されると、食べることに疲れてしまうし、出された料理の余韻に浸る間もない。

そのため一つ一つの料理が深く味わえない。

この店の醸す味わいは、この ”間” にもあるのかも。

 

焼き台で焼かれていたのは、豆腐田楽だった。

今までの地味目な料理とは違い、一転して華やかな盛り付けで目でも楽しめる。

 

画像でははっきりしないが、青大豆と普通の大豆の二種の豆腐が焼かれている。

炙られた豆腐に味噌の田楽がよく合い、とても美味しい。

お酒が飲めないのがとても残念だが、こんなのをアテに熱燗でキュッといけたら天国だ。

 

そんなことを店主に話せば、美味しい地酒もありますよと。

次回は運転手を伴ってどうぞと言われるが、それが難しくてね。

 

これは豆腐をおからで包んで揚げたものに、餡をかけた椀物。

表面を焦がさないように揚げてあるので、言われなければ揚げ物とは分からないほどの微妙な揚げ加減。

 

手の込んだひと品で、知らなければ豆腐とは思えないほど。

こんな料理今までに食べたことがないが、素晴らしく美味しいのだ。

 

こちらはおからを使った麺。

まるでうどんのようで、食べた感じも讃岐うどん。

 

讃岐うどんより腰がある感じで、どうやったらおからがこんな美味しい麺になるのか。

作り方は分からないけど、食べればとにかく美味しいのだ。

 

揚げ出し豆腐。

とても水分の多い豆腐なので、大量の油で一気に揚げたものという。

 

大量の油ってどれぐらいですかと聞けば、5リットル程の油というからすごい量だ。

水分の多い豆腐を揚げるには、それぐらいの大量の油でないと油のハネが凄まじく、恐ろしくて揚げられないらしい。

 

この揚げ出し豆腐にはご飯もセットされ、天丼のようにして食べたけど、画像は撮り忘れ。

そのご飯はナンチャラとかいう銘柄米と聞いたけど、名前も忘れてしまったが、美味しいご飯だった。

 

デザートはフルーツの盛り合わせ。

キウイやいちじく、洋梨にリンゴ、メロンやシャインマスカット、それに巨峰などの盛り合わせで、手の込んだカットがされている。

 

画像では少ない盛りに見えるが、かなりのボリューム。

喫茶店なら、これだけでも7~800円はするのでは。

 

そして締めはペルーの豆で淹れたコーヒー。

酸味の少ないまろやかでコクのあるコーヒーで、上等なカフェとしてもやっていけそうなぐらいに美味しいコーヒーだった。

 

お供には、豆腐をカステラ風に蒸したものが出された。

豆腐がこんなお菓子のような感じにもなるとは、恐れ入りました。

 


 

ての料理を通して思ったのは、どれも破綻のない上等な料理で、まさに豆腐ワールド。

そしてこのコースが3,500円というから、驚きのバーゲンプライス。

絶品の豆腐料理のフルコースが格安で味わえるのだから、予約が殺到するのも当然かと。

 

そうそう、冒頭でも書いた通りこの店がある所は携帯電話の圏外。

なので営業時間中は電話が繋がらない。

 

予約をされる方は、店主が自宅に戻った夕方5以降に電話をされることをおすすめする。

了息庵(You Tube-みや食べ)

了息庵(HP)

 


 

うして3時間の豆腐料理を満喫したけど、とても気持ちのいい時間が過ごせた。

それにしてもスゴイ豆腐料理屋があるものかと。

美味しい豆腐料理で、ごちそう様でした。

 

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