謙虚なマスターの打つ蕎麦と肴が美味い「つちや」【豊田市】

謙虚なマスターの打つ蕎麦と肴が美味い「つちや」【豊田市】

 

お酒を届けてくれた居酒屋のママに、お礼のメールを入れた。

ママからの返信には「蕎麦が食べたい」とあって、OKと返事しておいた。

 

で、そば屋へ行くことになったのだが、豊田市には蕎麦屋が数軒しかなく、その中で一番賑わっているのは「つちや」。

この店に行くことにしたが、ここはいつも満席で予約が必須。

 

しかもママの都合に合わせないといけないから、予約の日が限られる。

漸く「つちや」の予約が取れたが、お礼のタイミングとしては間が抜けてしまった。

 

久しぶりの「蕎麦つちや」。

この店は何も変わっていないが、隣りの串揚げ屋が無くなっていたのは全然知らなかった。

 

串揚げ屋からバーに変わっていたのだ。

店の作りは変わっておらず、居抜きでオープンしたようだ。

ただし外から中が丸見えというのはバーらしくないと思うが、要らぬお世話か。

 

それはそうと「つちや」はこの日も予約で満席。

ここは本格的な蕎麦屋ではあるが、夜は居酒屋の雰囲気に一変する。

 

置いてあるお酒(日本酒)も充実しているし、アテも美味しく、昼とは違って居酒屋よりも居酒屋らしい顔になるので、蕎麦屋ということを忘れてしまいそうになる。

 

実際、蕎麦を食べずに帰ってしまう客もいるほどで、この日も我々の隣りに座っていた女性の二人客が蕎麦を食べずにお帰りになった。

 

美味しいアテにお酒を合わせていればお腹が膨れてしまうから、それで帰ってしまうのだろうが、つちやの蕎麦を食べずに帰ってしまうのは勿体ない。

折角だから食べていけばいいと思うけどね。

 

そんな居酒屋のような店なので客の回転が極端に悪く、殆どの客は閉店時間の9時まで居るから、途中で席が空くことがない。

結果、予約した客だけで夜の部が終わってしまい、それで予約が取り難いのだ。

 

開店時間とともに入店すれば一番乗り。

店内は全席飲む支度がされていて、蕎麦屋という雰囲気は全くない。

いつものことと言えばいつものことだが、そういう我々も飲みに来ているのだが。

 

先ずはビール。

この店には生ビールが無い。

この店は日本酒がメインの店なのだ。

 

今日のオススメメニューはこちら。

これだけでもかなりのモノだが、これだけではない。

 

これもそうだ。

どれも美味しそうなアテで、全部頼みたくなる。

 

しかもレギュラーのメニューもあるから、ますます選ぶのが難しくなる。

メニューを見ただけでも居酒屋よりも居酒屋らしい蕎麦屋、と言うことがお分かり頂けるかと。

 

ビールが済めばさっそくお酒にチェンジ。

銘柄はあれこれあって選ぶのが面倒なので、吟醸系のお酒でとだけ伝え、銘柄はマスターにお任せ。

 

出されたお酒は「鳳凰美田」(ほうおうびでん)。

栃木のお酒で、フルーティーで綺麗な洗練された美味しさが味わえる。

このお酒からスタートというのはレベルが高い。

 

アテは真鱈の白子焼き。

ママがオーダーしたものだが、私はちょっと苦手。

全然食べられないということはないが、一口つまむ程度。

ママによれば上等な白子とのこと。

 

私が頼んだのはブリカマの塩焼き。

これが超絶美味。

油ノリノリで、しかもその油が全くシツコクなく、ブリカマの身に溶けている感じ。

 

これはかなり上等なブリで、そうなると身の方も食べたくなる。

さっそくブリ刺しをオーダーしたのだが、売り切れてしまったとか。

 

そう言われてみれば他のテーブルにはブリ刺しが並んでいる。

皆さん美味いものをよくご存知だ。

 

こうなると何か刺し身が頼みたくなる。

で、マグロの刺し身をオーダー。

 

ママも私も刺し身がそれほど得意ではないが、勢いで頼んでしまった。

サーブされたのは生の本マグロ。

大トロと中トロに赤身のコンビで、これがまた美味。

 

たまらずお酒も追加。

次もマスターにお任せで頼んだのだが、どれが良いか見て選んで下さいとのこと。

冷蔵庫の中を見て選ぶのかと思えば、店にあるお酒を全部出して並べてくれていた。

 

そのラインナップがこちら。

これだけでも素晴らしいラインナップだが、まだある。

 

単焦点のレンズでは収まらない。

数もスゴイが、どれも良いお酒のラインナップで、まるで宝塚のラインダンス状態。

 

この ”ヅカガール” の中から一人を選べなんて、至難の業。

お酒に詳しいママに選んでもらったが、ママが選んだのは「月不見の池」(つきみずのいけ)。

 

ところが後から画像を見ても「月不見の池」が写っていない。

画像の切れている左端しにあったようだが、これだけ並べるのも大変な作業。

 

忙しいのにこんなことまでやってくれたマスターに頭が下がる。

ありがたい限りだ。

 

美味いお酒でペースも上がり、アテで頼んだのは天ぷらの盛り合わせ。

天ぷら屋が揚げる ”薄衣” の天ぷらとは違い、少し厚めの衣の天ぷらで、「そば屋の天ぷら」だ。

 

そば屋の天ぷらは、天ぷら蕎麦にした時に汁を吸うように揚げられているので、それで衣が厚い。

これが正当なのだ。

上品に味わう天ぷら屋の天ぷらもいいが、豪快に味わうそば屋の天ぷらも美味い。

それとここの天ぷらはネタが大きいし量もタップリで、一人で頼むとギブアップしそうになる。

 

そんなこんなで飲んでいれば、そろそろ〆の時間。

当たり前だがここでは蕎麦だ。

少し緑色している蕎麦がお分かりだろうか。

のど越しの良い二八の蕎麦で、私はここの蕎麦が好きだ。

 

それと量もタップリあって、二人でシェアして食べて丁度いい量だから、他店で言えば二人前以上。

気取った蕎麦屋の極小の蕎麦をのことを思うと、ここの蕎麦は格安だ。

 

今は上から目線で値段の高い蕎麦屋を ”いい店” として崇めるような風潮があるが、そんな店とは一線を画する蕎麦屋がここにある。

偉ぶった態度の全くない、謙虚なマスターの打つ蕎麦を一度味わっていただければ、私の言っている意味が分かってもらえると思う。

 

手打ち蕎麦 つちや

 

久しぶりの「つちや」はやはりいい店だった。

これでもう少し空いているとありがたいが、こればっかりは何ともならないか。

 

今日も美味しかった、ごちそう様でした。

 

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