CG名誉編集長 小林彰太郎さん

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高校以来、数十年以上購読している、CGという雑誌があります。

 

「CG」とは、Car Graphicという雑誌で、そのCGを創刊し編集長として一つの時代を築いた小林彰太郎さんが亡くなられました。

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青春時代から今に至るまで、私に大きな影響を与えたCGは、イコール小林彰太郎さんであり、雑誌というよりも、私にとっては人生の教科書であり、時にはバイブルでもありました。

 

CGに占領された本棚。

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冊数はすでに400冊以上にもなり、床が抜けはしないかと心配なほど。

 

小林彰太郎さんは、ライオン歯磨(ママレモンの会社と言ったほうが簡単)の創業者社長の長男であり、そのままならライオンの社長になった人。

それが東大卒業後、車好きが嵩じて自動車ジャーナリストの道に入り、CGを創刊した次第。

 

彰太郎さんの書いた文章は格調高く、また高尚な表現で、自動車のことが書かれているにもかかわらず、文学書でも読んでいるかのような錯覚さえ覚えたものです。

 

 

そんな彰太郎さんの企画展が、愛知県長久手市にあるトヨタ博物館で行われており、折角の機会だからと、出かけてきました。

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久しぶりのトヨタ博物館。

 

この企画展は、彰太郎さんがお亡くなりなったから企画されたものではなく、「昭和の日本、自動車見聞録」という本が出版され、その出版記念の意味で企画されたもの。

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ですから存命中の企画であり、10月27日には、このトヨタ博物館で彰太郎さんのトークショーとサイン会も行われたのです。

それが、トークショーの翌日、28日にお亡くなりになるとは、、、

 

彰太郎さんの集大成のような「昭和の日本、自動車見聞録」を出版し、トークショーもサイン会もこなしてから逝かれたとは、全てをやり尽くして逝かれたような思いがし、全てを全うされ幸せな人生だっと思います。

 

トヨタ博物館とは言っても、トヨタ車ばかりではなく、自動車の歴史ということで、他メーカーの車も多く展示されてます。

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エントランスには自動車創成期(1800年代後半)の車が展示。

展示されている車は、全てが走行可能な状態で保たれているというから、驚き。

メンテナンスが大変でしょう。

 

電波式の音声ガイド(有料)をお願いしたら、ガイドが案内をしますからどうぞ、とコンパニオン嬢に勧められました。

ガイドさんが同行してくれたのはラッキー。

しかも無料。

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ガイド嬢が説明している車は、ルーズベルト大統領の専用車で、ベース車はパッカード。

ガラスは厚さ3㎝!、ドアの鉄板も5㎝!もある防弾仕様とのこと。

 

ガイド嬢は、展示車のドアもあけて室内も見せてくれたりで、サービス満点。

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ガイド嬢が、小山のようなロールスロイスのステップを開けると、工具が仕込まれてます。

 

博物館には数多くの車があり、とても全てを案内はできません。

ガイドも端折って案内してくれます。

 

ここからは私の好きな車。

まずはフィアット500。

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小さくてキュート。

イタリア車で、映画「ローマの休日」で、ヘプバーンが乗った(助手席に)のと同じ車。

ツートンカラーが、なんとも粋。

 

ブガッティ B35。

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1920年代のGP・レーシングカー。

今で言えば F-1マシーン。

奥の赤い車はアルファロメオ。

 

左は本物そっくりに作られた、ブガッティの子供用のペダルカー。

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子供用と言っても、今の金額で言えば数百万円はしたと思うような、素晴らしい出来の良さ。

子供が乗るより、私が欲しい。

 

白洲次郎が乗っていたのと同じベントレー。

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これも今で言えばレーシングカーで、戦前のル・マン24時間レースで優勝してます。

白洲次郎がこれでヨーロッパを旅行していたとは、なんとも贅沢な話。

 

機能美あふれるダッシュボード。

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デザインされた美しさではなく、機能を追求した結果の美しさが、潔ぎ良い。

 

フロントガラスのように見えるのは、何とネットで、多分虫除け。

本当のフロントガラスはバックミラー左右にあるもので、レーシングスクリーンタイプ。

 

博物館の車の中で、一台だけ「乗って帰ってもいいよ」、と言われれば、迷わずこの一台 ↓ 。

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オースチン・ヒーレー・スプライト。

通称「フロッグ・アイ」(カエルの目)。

 

男の私でも「可愛い・・・」と言いそうなほど、チャーミングな顔つき。

赤いダッシュと内装が、とてもお洒落。

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欲しい・・・

 

奥殿もすっかり気に入ってしまった様子。

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売っていれば(売っていないでしょうが)、買ってしまいそう。

 

こちらは日本車。

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ホンダ-S500と、後ろはトヨタ-S800。

更に後ろの水色の車は、ダイハツのコンパーノ・スパイダー。

 

オープン2シーター乗っているので、どうしても屋根の開くスポーツカーに興味を引かれます。

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それにしてもこの時代(1960年代)の車って、なぜこんなに自由で活気を感じるのでしょうか。

またそれぞれの車がみな主張していて、「他に似ていない」、のが素晴らしい。

 

他にも紹介しきれないほどのたくさんの車に触れて、クルマ三昧の楽しい一日。

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これも小林彰太郎さんのお陰。

 

ありがとうございました。

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ご冥福をお祈りします。

 

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