モヤシだけで作ったシンプルな「焼きそば」

モヤシだけで作ったシンプルな「焼きそば」

 

春になると食べ物が美味しくなる気がする。

毎日のように食べているトマトやレタスなども、ピカピカしてくるのだ。

 

この日の朝ごはんにもトマトとレタスが並んでいたけど、冬に比べて色が鮮やかに。

食べても美味しく、甘いとさえ感じる。

春になって、陽の光をタップリと浴びるからだろうか。

 

そんな春を告げる食材のひとつにアサリがある。

以前は三河湾でもたくさん採れて、タップリとした磯の香りを感じて美味しかったもの。

 

それが近年は極端な不漁で、潮干狩りが中止になった年もあったほど。

その影響は今も続いているようで、潮干狩りに行ってきたと言う話も聞かなくなってしまった。

 

スーパーに行けばアサリは売っているけど、ソソられるものがない。

スーパーに並んでいるアサリはパックに入れられていて、活きというか鮮度はお話にならない。

当然、磯の香りなんて期待できない。

 

専門店なら活きた上等なアサリもあるだろうけど、値も高い。

スーパーでは値段が優先するから、そこまで上等なアサリは置かない、というか置けないのだ。

 

それでも年に一度ぐらいはアサリが食べたいということで、スーパーのアサリを買ってきてもらった。

それを中華スープのアサリ汁にしてもらったのがコレ。

モノは九州・熊本産のアサリで、潮の香りはやはり飛んでしまっている。

 

身の入りもそれなりで、アサリを食べると言うよりアサリのスープを飲む感覚。

実際、身を食べるよりアサリの中華スープの方が美味しかった。

 

熊本のアサリは貝殻の色が茶褐色。

それに対して三河湾で採れるアサリは黒褐色で、見ただけで産地の違いが分かる。

本当かどうか確かではないけど、貝殻の色は貝が育つ海の色の違いによるものとか。

 

中国産のアサリが薄い茶褐色の色をしているのは、中国産アサリの産地が黄海に面しているため。

”黄海” と書く通り、黄河や揚子江が運ぶ黄土高原の土のため、海に黄色の土が溜まるからだ。

 

日本でも ”黄砂” として飛んでくることもある黄土高原の土が、何千キロも河を下って海に注ぐのだけど、そのためそこで育つアサリも薄い茶褐色になるという。

熊本のアサリも中国産と同じ色をしているけど、もしかすると中国の稚貝を輸入し、それを放流して育てたものかもしれない。

これが ”畜養” というものだけど、日本のアサリが不漁になってしまい、今は輸入した稚貝を放流することが当たり前になっているらしい。

 

三河湾の幡豆はずの潮干狩りで、クーラーボックスが満タンになるほどアサリが採れるなんてことは、もうないのかも。

採ってきたアサリを鉄板の上で焼くだけで食べる、あの潮の香りタップリの味は忘れられない。

ホントに美味しかったのだ。


 

そんな話をしながらのイッパイも済んで、ご飯にしてもらった。

今日はご飯ではなく、焼きそば。

なぜか焼きそばが食べたくなったのだけど、肉とか野菜を入れた焼きそばではなく、モヤシだけで作ったシンプルな焼きそばが食べたくなったのだ。

 

ここで肝心なのは、モヤシに火を入れ過ぎないこと。

モヤシのシャキッとした食感が残るぐらいの、浅い火入れで作ったのがこれ。

これが美味しい。

 

使っているのはマルちゃんの焼きそばだけど、家で焼きそばといえばこれがレギュラー。

美味い、早い、安いで、インスタントとしては上々の味。

 

それにモヤシだけを足して作る、このシンプルな焼きそばが好きだ。

モヤシは黒豆のモヤシ(くろっぺ)で、歯ごたえのある細モヤシ。

モヤシとしては高いけど、と言っても40円ぐらいだけど、これが美味しい。

 

シンプルな料理だけに、モヤシの火入れだけは気をつけるけど、それ以外は難しいことは何もない。

それなのにこれだけ美味しいのだから、手の込んだ高級な料理だけが美味しいという訳ではない。

そこが料理の奥深いところで、面白い。

こんなシンプルな料理でも、美味しく味わえるのだから。

 

今日は春を告げるアサリと、シンプルなモヤシの焼きそばが美味しかった。

ごちそう様でした。

 

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