抜群に旨い寿司が格安に味わえる「鮨屋とんぼ」【名古屋・新栄】

抜群に旨い寿司が格安に味わえる「鮨屋とんぼ」【名古屋・新栄】

 

奥殿が鮨を食べたいとご所望。

しかもカウンターで握りが食べたいとのたもう。

 

最近は回転寿司に押されまくって、粋に寿司を食べさせてくれる店が壊滅状態。

近場には旨い鮨屋がないのだ。

 

そんな折、名古屋に赤酢を使った江戸前の鮨屋があることを聞きつけ、以前行った岐阜・恵那市の鮨屋「そめいよしの」ではと思い、調べてみればどうもそれっぽい。

 

マスターの経歴も東京の名店で修行したとあるが、「そめいよしの」の大将も東京・日本橋「吉野鮨」で修行していたから同じ。

それに何と言っても赤酢を使う握りと言えば「吉野鮨」の最大の特徴なので、これはまず間違いないだろうと出向いた次第。

 

豊田新線から地下鉄で着いたのは名古屋・新栄。

新栄はむかし奥殿が勤めていた会社があったところ。

久しぶりに来たらヤマザキマザック美術館ができていて驚いていた。

 

訪ねた鮨屋は「鮨屋とんぼ」という店。

営業は五時からだけど着いたのは四時半。

ちょっと早いがそれには訳がある。

この店の席数はたったの7席!しかないのだ。

 

なので初めに入らないと ”待ち” になるから、それを嫌ったのだ。

待ちになるとしっかり待つハメになるので早目に来たのだが、それでも我々が5番目と6番目でぎりぎりセーフ。

 

それとこの店は立喰い。

鮨屋には ”立喰” を謳った店はいくらでもあるが、この店は本当の立喰いなのだ。

 

この席数7席の立喰いの鮨屋が、果たして「そめいよしの」のマスターの店なのか。

そんな期待を胸に、いよいよ開店だ。

 

店は狭い。

7人が座れば並べば満席で、これ以上は入れない。

広さは5坪ほどか。

 

鮨は目の前にある札をカウンターの上に置けば、それを見て握ってくれる。

ここに無いものや、酒の銘柄はマスターに言えばOK。

 

値段は安い。

100円から一番高いものでも500円。

さあ食うぞ!

 

先ずは安いところから攻めて、100円のイワシ。

見てビックリ、見るからに新鮮そうなイワシで、しかもしっかりと仕事がされている。

で、食べてブッ飛んだ。

 

抜群に旨いというか期待を遥かに超えて、のけぞる旨さでイナバウアー!

これが100円の握りなのだから、レベルの高さに驚く。

 

すっかり気を良くしてしまい、続く鮨も100円の物でいってみる。

次は鯵。

これまた超絶美味。

赤酢を使っているのと醤油が塗られているから、ノゾキの必要ない。

 

ここの握りは粋な江戸前なので、シャリが小さくてひと口でいける。

これは鮨の肝心なところで、鮨は食事にもなるし酒のアテにもなるのだ。

シャリの多い握り、あれはご飯だ。

 

と言うことでお酒。

小振りなグラス(100ml?)に注がれているのは、小左衛門。

 

好きな小左衛門が置いてあることが嬉しい。

プレートには辛口とあるけど、酸味と甘味の醸すフルーティーな吟醸酒。

実に旨い酒で、カポカポいける。

 

イワシ、アジとくればお次はサバだ。

で、しめ鯖。

これもまた一段と旨い。

甘く締められたサバが旨い。

 

とにかく言葉が出ないほどに旨いのに感服。

素晴らしい鮨屋だ。

 

カウンターの7人が次々と頼むから握る方も大変かと思いきや、負けずに次々と握ってくるのはさすがプロ。

カウンター内には職人さんが二人入っているので、鮨を頼んでも待たされることは一切ない。

テンポよく握ってくれるから、食べるペースもいい感じになる。

 

一息ついたところでマスターに「そめいよしの」の人ですよね、と聞けばズバリ正解。

驚いたマスターから ”恵那の人ですか” と聞かれたが、我々は豊田市からで、以前「そめいよしの」の鮨を食べ、その鮨が気に入っていたと話した。

 

で、「そめいよしの」がなくなってしまい、がっかりしていたと話したら、よくここを探して来てくれたと感激の面持ち。

縁はどこで繋がるか分からないが、そんな縁を大事にしたいものだ。

この人がマスター。

相変わらず赤酢の鮨が旨いねと言ったら、顔がほころんでとても嬉しそうだった。

 

二杯目は百春。

岐阜・美濃市のお酒で、これも好きなお酒。

相変わらず旨い。

 

今が旬のトリ貝。

茹でたトリ貝ではなく、生のものを普通に出してくるのが素晴らしい。

味は言うまでもなく旨く、口に含めばトリ貝の甘さが広がる。

 

マグロ。

見ただけで味が伝わるような上等な赤身のマグロ。

クオリティーの高さを見せつけられるひと品だ。

 

お酒もいいものが揃っていて、じゃんじゃん飲んでしまう。

こんどは「百十郎」というお酒で、初めてのお酒。

飲み味は書いてある通りで、サラッと飲める。

 

車海老。

海老が甘い。

江戸前を代表する握りで、素晴らしく旨い。

鮨ってこんなに美味いものなのだと、改めて思わさせてくれる。

 

回転寿司を否定するつもりは無いけど、回転寿司の寿司は本来の寿司とは別物。

偶にはちゃんとした鮨屋で、上等な鮨を味わうのもいいもの。

そうしないと本物の寿司が分からなくなるからね。

 

黒ムツの炙り。

高級魚の黒ムツを炙りにする上等な食べ方。

炙った分だけ香ばしさと焦げの旨さが際立ち、頗る旨い。

 

”房島屋” というお酒で、岐阜・揖斐川町のものとか。

奥殿はこれが一番美味しかったとのこと。

芳醇であって酸味と甘味のバランスもよく、実に味わい深い味。

 

この店のお酒は岐阜のものが多いのは、マスターが恵那の人だからだろうか。

知らないだけで岐阜にも旨いお酒がまだまだあるものだ。

 

芽ネギ。

キムタクが大好きな鮨らしいが、私には無関係な話。

 

北海タコ。

甘みのある生の北海タコで、旨い。

これが100円の握りでいいのか。

 

この店の鮨のクオリティーの高さと値段が不釣合いで、感覚がズレてしまう。

生の北海タコの握りが一貫100円とは、俄に信じられない。

 

鯛。

鯛は普通。

穴子にすれば良かったか。

 

知らなかったが、奥殿は穴子を食べた由。

悔しい。

 

鉄火。

200円の鉄火とは思えないパフォーマンス。

 

よく食べたけど、ラストはかんぴょう巻。

鮨屋で締めに必ず頼むのがかんぴょう巻なのだ。

摘んでしまった画像で失礼。

 

もう少しマスターと話しながら飲みたいところだけど、外で待っているお客さんが大勢いるから会計だ。

この店の不文律として長居はご法度で、食べたらサッサと帰るのが粋。

 

これほど上等で高級な鮨を、こんなに格安に食べさせてくれる店は他にないのでは。

近くにあれば確実に通っている店だ。

 

立喰い 鮨とんぼ

 

立喰いとは言いながらも、全くそれを忘れていたし気にもならない。

むしろ潔くていい感じだった。

 

とにかく7席しかないから、並ぶことは必須。

帰る時に見たら15人ほどの人が並んでいたが、後ろの人は1~2時間は待つのでは。

こんなことを言っては何だが、私が行くときは皆さんあまり行かないでね。

 

旨いものを食べたという気がして楽しかった。

ごちそう様でした、また行きます。

 

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