”久しぶりシリーズ” 第二弾「そば処 なつ井」【豊田市】
- 2018.03.30
- 豊田市内
先日の「和み たむら」に続いて ”久しぶりシリーズ” 第二弾として「そば処 なつ井」へ行ってきた。
”久しぶりシリーズ” って、そんなシリーズがあったのかと言われれば心許ないが。
久しぶりに訪ねたのは、近々ある女性をこのそば屋へご案内する予定があり、その下見なのだ。
ここは駅から遠く車で行くしかないが、駐車場は狭く微妙に駐めにくいので、ピークを外した1時過ぎに行った。
久しぶりの「なつ井」は以前と変わっていない。
そば屋には似つかわしくない洒落た白い椅子も相変わらずだ。
お一人様なのでカウンター席へ。
カウンター席の前は麺打ち場で、丁度蕎麦を打っているところだった。
カウンター席とはガラスで仕切られているので、光が反射して写りが悪く恐縮。
ところで昼営業の終了間際に蕎麦を打っているけど、この蕎麦は夜のためなのかな。
メニューはこちら。
値段のところが写っていないが、右のそば定食が1,280円で、他は1,500円~2,000円ほど。
ざる蕎麦単品でも850円で、しかも量は少ないのでかなり強気の価格設定だ。
他には平日だけのランチセットもあるが、数量限定とのこと。
天丼付きだけど、野菜の小天丼で1,280円がお得かどうかは微妙。
これが海老も乗った天丼なら嬉しいけどね。
海老のセットもあるけど、1,836円と高価。
これも限定とのこと。
やはりこの店は高級なそば屋なのだ。
それとこの店はやたらと ”限定” が多い。
山菜の天ぷらもこの値段で10食限定。
お酒も限定。
1.8合(324 cc)って、微妙な量だ。
麸の田楽も限定。
限定と書けば貴重に見えるかも知れないが、これだけ限定だらけでは興醒め。
そのうち蕎麦自体も限定になるのでは。
で、頼んだのはそば定食(1,280円)で、ざる蕎麦にした。
待つほどもなく運ばれてきたそば定食。
ざる蕎麦にとろろのセット。
しまった、いま気付いたが蕎麦にとろろご飯のセットだった。
こういうセットは ”主食+主食” の組み合わせで、私の嫌う組み合わせ。
蕎麦にご飯という食べ方はないと思うが、どうだろうか。
とろろご飯のことを単純な「とろろ」と誤解していて、失敗だった。
蕎麦は更科系の蕎麦で、細打ちの麺。
この店の主人は、セントレアにもある紗羅餐(サラザン)で修行した人なので、味も見た目も紗羅餐の蕎麦そのもの。
とろろご飯はそれなり。
ジューシーというかトロットロのとろろを思っていると、裏切られる。
淡白というか薄いと言うか、味がサラッとしていて粘りが少ない。
都会的と言えばそうなのかも知れないが、濃い味のとろろではない。
蕎麦も同じ印象で、上品な蕎麦で力強さはない都会的な蕎麦。
田舎蕎麦とは違う方向の蕎麦。
繊細で上品な蕎麦を好む人には合うと思う。
イメージで言うと ” JAZZの流れるお洒落なそば屋の蕎麦” と言った感じ。
蕎麦つゆは辛口の蕎麦つゆなので、汁にどっぷり付けて食べる食べ方ではなく、昔ながらのほんの少し付ける食べ方が合う。
このあたりは店のスタイルなので、これがどうこうと言うことではない。
余談だが、蕎麦つゆに蕎麦を少しだけ付けて食べるのを ”通” のように言う向きがあるが、それは違う。
明治以前は味醂や砂糖などが貴重品で使えず、また醤油もかなり塩辛いものだった。
更にそれ以前は醤油も貴重品で、江戸時代中期までは味噌や塩で食べていたし、地方によっては大根おろしで食べていたのだ。
明治以前の蕎麦つゆは醤油を水で割っただけのようなもので、非常に塩辛く、蕎麦を汁にたっぷり付けては食べられなかったのだ。
今は味醂や砂糖、鰹だしなどで作るからつゆ自体が美味しく、たっぷり付けて食べることが出来る。
蕎麦を汁にちょっとだけ付けるのが ”通” の食べ方ということはなく、それは明治以前の塩辛い汁の食べ方の名残りなのだ。
今は蕎麦を汁にたっぷり付けて食べても構わないし、自由に食べればいいと思う。
蕎麦湯はポタージュで、これは旨かった。
量もたっぷりあって、そば猪口に4杯ぐらいは飲んだかな。
一番美味しかったのが蕎麦湯だった、と言っては失礼か。
この店は良くも悪くも ”紗羅餐” の蕎麦で、それが好きな人にはハマると思うが、それにしても高価。
こういう高価な蕎麦を喜ぶ方もおられるだろう が、蕎麦は本来ここまで高級なものではないはず。
これだけ高いと客足にも影響が出るのでは、と考えるのは余計なお節介だ。
この店は蕎麦に対して一家言持つ人や、薀蓄を語る人に喜ばれる店のように思う。
それとどうした訳かワクワクというかウキウキする感じがしなかった。
せっかく飲食店に来たのに、それが感じられないのは何故なのだろうか。
彼女をご案内するかについて、迷いが出てしまった。
⇒ そば処 なつ井
ごちそう様でした。
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