一年前に出来た田舎のそば屋「亀福」の味は?【豊田市下山】

一年前に出来た田舎のそば屋「亀福」の味は?【豊田市下山】

 

豊田市の東部、下山に一年ほど前にできた蕎麦屋「亀福」。

オープンして間もない頃に行ったのだが、この店がTV朝日の「人生の楽園」で放映された直後ということで、車を停めるところもないほどの大賑わい。

↑ その時の画像

直ぐに再訪するつもりでいたのだが、なんやかやと時が過ぎてしまい、一年後に漸く訪れることが出来た。

 

下山は豊田市と合併するまでは「下山村」だった所で、私の中では今も ”村” という感覚が抜けない。

そんな長閑な ”村” にオープンした蕎麦屋の味はどうなのか。

興味津々で訪ねてみた。

 

ここが蕎麦屋の「亀福」。

建築会社に努めていた主人が始めた蕎麦屋で、蕎麦は以前から趣味で打っていたとか。

その人が定年を機に店を始めたのだから、「趣味が高じて」とも言える。

 

全国各地には、趣味で打っていた人が始めた蕎麦屋はママある。

得てしてそういう店は、店主の ”コダワリ” が強い。

 

それがいい方に出れば楽しい店になるが、悪い方に出ると ”難しい店” になる。

商売で始めたのではなく、趣味の延長で始めた店なので、良くも悪くも「商売抜き」。

なので悪くすると「オレの打った蕎麦が最高だろう」という ”唯我独尊” に成りかねない。

 

商売ならお客さんに来てもらわないと経営に響くが、趣味の延長だと経営は二の次。

経営よりも自分の腕前を見せたい、認めてもらいたいことが優先になるからだ。

 

店はR.301沿いにある。

国道沿いにあるとは言っても、ご覧の通り狭い入り口を入った所にある。

 

黄色のセンターラインが引かれた道が R.301で、右が豊田市方面、左が新城方面になる。

遠景の立体交差は岡崎・額田方面へ抜ける道だが、不釣り合いに立派な立体交差で、通称 ”花沢インター” と言うらしい。

 

駐車場は道から入ってすぐの所に4台と、上がった所にも4台ぐらいは停められるが、どちらも狭い。

それと店に入る所は分かりづらい。

 

私も一本手前で入ってしまったが、それは隣りの家に行く道。

Uターンすることが出来ずバックで出てきたが、狭い道なので焦ってしまった。

 

店は靴を脱いで上がる。

その前に「木札をお取りください」と案内されるが、それは順番の木札ではなく、蕎麦の数をチェックするための木札。

 

一日に40杯分の蕎麦しか打っていないので、木札が40枚用意してあって、それが無くなると営業も終了ということ。

なので一人で蕎麦を2枚食べたい向きは、木札も2枚取る必要がある。

 

ちょうど居合わせた店の主人に説明されたのでまご付かなかったが、初めてだと順番の札と勘違いしそう。

中には4人で来て木札を一枚しか取らないこともあるとか。

なお木札と言っても丸いコイン状の形で、木札には見えないから注意が必要だ。

 

店は新築なので小ざっぱり小綺麗。

テーブル席が5卓ほど。

カウンター席は無いので、混雑時だとお一人様は相席になるかも。

 

品書きは「もり」と「かけ」の二種のみ。

それに大根おろしと長芋のとろろを付けるだけの違いで、基本的には二種しか無いが、蕎麦屋はあまり賑やかなメニューよりもこれぐらいでいいと思う。

とは言え、天ぷらぐらいはあってもいいかも。

 

期間限定のきのこ蕎麦もあった。

餡掛け蕎麦なので、本格的に寒い日には温まっていい。

 

それと蕎麦屋に付きものの蕎麦前は無い。

尤もここは飲むシチュエーションの立地ではないけど、ちょっと寂しい。

 

メニューは少ないので悩むことはないが、蕎麦の2枚ぐらいはいけるのでは、との主のアドバイスに従い、もり蕎麦ととろろのもり蕎麦を頼んだ。

奥さんがフロア担当のようだが、奥さんも丁寧に説明してくれる。

 

それと会計はオーダーと同時に支払いを済ませるシステムの、キャッシュ オン。

間違いが起きにくいからいいやり方だが、蕎麦屋では珍しい。

 

待つ程のこともなく運ばれてきた、とろろのもり蕎麦。

見た瞬間に思ったのは、意外に白っぽい蕎麦と言うこと。

更科系か。

 

それと蕎麦が太い。

冷や麦のようなイメージなのだが、見ていても始まらないので「いただきます」。

 

ひと口食べたけど、蕎麦の香りとか蕎麦の風味が無い。

見た目と同じで、冷や麦のような食感。

 

二八の蕎麦とあるが、小麦粉が8割のような味と食感で、つるつるとし過ぎ。

ムニュッとした感じで、こういうのを喉越しがいい蕎麦とは言わない。

これはラーメンと似た食感で、のど越しがいい蕎麦とは違う。

 

蕎麦を2枚頼んでしまったが、マズった。

一枚を食べて、それで2枚目をどうするか決めれば良かったのだが、今更だ。

会計も済んでしまっているしネ。

 

親切な奥さんが「2枚目は細目の蕎麦にしてもらいました」と運んでくれたのだが、見ただけでは違いが分からない。

細目とは全然見えないし、それに細いのと太いのと作り分けているとはとても思えない。

どこか違うのだろうか。

 

食べた感じも一枚目の蕎麦と全く変わらない。

それにしても白っぽい蕎麦だが、かと言って更科蕎麦のような上品な白さとも違う。

 

個人的には挽きぐるみの田舎蕎麦が好きなのだが、ここの蕎麦はそれとも違う。

挽きぐるみは蕎麦の甘皮まで挽き込んでいるので、打った蕎麦には黒いツブツブが残る。

 

田舎蕎麦には野性的な旨味と力強さがあって、香りも立つ。

この店の蕎麦にはそれが無いのだ。

 

言ってはナンだが、家で食べている冷凍の蕎麦の方が旨い。

味の評価は人それぞれだから、私とは全く違う評価をされる方も居られるだろうが、残念ながらこの店の蕎麦は私には合わなかった。

 

蕎麦湯。

ポタージュタイプではなく、湯がいたお湯そのままの、単なる蕎麦湯。

 

奥さんが「このまま飲んでください、蕎麦の甘みと香りが味わえますから」とのことだったが、甘味も香りも全くない。

単なる蕎麦湯ではそこまで感じられないのが当たり前で、それは ”茹で汁” だからだ。

もしそれを味わってもらおうとするなら、蕎麦湯として作らないとムリ。

 

期待を込めて訪れた「亀福」だったが、残念だった。

地元の人達には愛されている店のようなので、これからも頑張っていただきたい。

 

二八そば「亀福」(食べログ)

 

店はキレイだし、店主も奥さんもいい人だから余計に残念。

ごちそう様でした。

 

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