立花 隆さんが亡くなられて思い出した「臨死体験」

立花 隆さんが亡くなられて思い出した「臨死体験」

 

ジャーナリストであり、ノンフィクション作家でもあった立花 隆さんが亡くなられた。

亡くなられたのは4月30日で、2ヶ月近くも前のこと。

 

その死が2ヶ月近くも公表されなかったことが妙だなと思ったけど、立花さんご自身の死生観に基づく指示があったのかも。

そう思うのは立花さんが「臨死体験」の取材を通じて、”死は怖くない” という思いに至っていたと思われるからだ。

 

立花さんは死後の世界については語っていないし、臨死体験は死後の世界を語るものではないとも言っている。

だけど臨死体験の取材を通じて、死は夢の世界に入っていくようなものという ”安心感” を感じるようになり、それで自身の死を公にしなかったのではと思うのだ。

 

今日は立花 隆さんを偲んで、立花 隆さんの語る ”臨死体験” について書いてみたい。


 

私が臨死体験を知ったのは立花 隆さんの本を通じてで、読んでビックリの強烈な内容だった。

その内容も事実に基づく構成で、この手の話によくあるオカルト的な話とか、TVに出ているタレント霊能力者の話すような、根拠も裏付けもない話ではない。

事実に基づいて、しかも検証までするという念の入った客観的な事実の積み重ねで、ノンフィクションの名に恥じない内容だ。

 

そこに書かれていることは臨死体験・幽体離脱がテーマで、驚くことばかり。

読んだのは平成6年(1994年)11月なので、今から27年も前のこと。

30年近くも前のことだけど、はっきりと覚えていることがある。

 

それを読んで、肉体(body)と魂(soul)は別々に存在しているのでは、と思うところがあった。

つまり幽体離脱ということもあるのでは、と思わされるところがあったので、ちょっと長いけど紹介してみたい。


 

それはドイツの高速道路で起きた、交通事故でのこと。

多重衝突の大事故に巻き込まれたあるご婦人の話で、彼女は事故の衝撃で車外に放り出され、瀕死の状態で高速道路上に横たわっていた。

 

駆けつけた救急隊員によって彼女も発見されるのだが、状態はかなり悪く、治療の優先度の判定が行われることに。

今で言うトリアージで、判定は黒タグ。

つまり死亡ないしは助かる見込みがほとんどないとのことで、救急処置は後回しに。

 

彼女には毛布が被せられ、そのまま放置されてしまった。

もちろん彼女に意識はなく、この話は後日、救急隊員に聞いて知ったことだ。

 

その後、事故の救急搬送も一段落し、黒タグを付けられた彼女も病院へ搬送。

病院に到着時、彼女にはまだかすかに脈があり、それから救命処置が取られることに。

 

懸命の治療の甲斐あって彼女は助かり、9ヶ月後に自宅に戻ることができた。

だが驚くのはそれからで、自宅に帰った彼女が事故のときの出来事を語り始めたのだ。

 

それはその大事故の直後に、たまたま高速道路の対向車線を通りがかったある車の女性が、「ひどい事故だけど、どうか一人でも多くの人が助かりますように」と祈っていたと言うのだ

助かった彼女はその女性にお礼が言いたいから、その車を探してほしいと家族に懇願。

 

話を聞いた家族は、事故の時に対向車線を走っていた車など探せないと言えば、彼女はその車のナンバーを告げる。

だが事故当時、瀕死の状態で意識もなく道路上に横たわっていた彼女が、対向車線を走る車のナンバーを覚えているなんてあり得ない。

 

しかもその車の女性が「助かるように」と祈っていたなんて、誰も知らないこと。

家族がその車のナンバーを聞いても、夢でも見ているのだろうと取り合わず、放っておいたのは当然ことだ。

 

だが何度も何度も車を探してほしいと言うので、そのことを知り合いの新聞記者に伝えた。

で、新聞記者がその車を探した結果、驚くことにそれらはすべて事実だったのだ。

 

そのナンバーの車が、事故の直後に対向車線を走っていたのも事実。

そしてその車の女性が「助かりますように」と祈っていたのも事実だったのだ。


 

立花 隆さんはケガをした女性と祈っていた女性の双方に取材をするのだが、普通ではあり得ないことが実際にあったことに驚く。

もちろんその二人の女性の間には面識はなく、縁もゆかりもない全くの他人。

 

事故にあった女性は、意識もない状態で現場に横たわっていたのに、対向車線の車のナンバーを覚えることができたのは何故か。

しかも祈っていた女性を見ていたということで、幽体離脱していたとしか考えられない。

 

これは「臨死体験」の取材の中の一つで、立花さんはこのようなことを200件以上も取材している。

立花さんは「だからこうだ」と結論付けず、このようなことを淡々と語っていく。

 

神秘的な話ではなく、淡々と事実を重ねていく取材方法に却ってスゴミを感じ、ゾッとした覚えがある。

世の中には解き明かせないことがあるものと思わされたけど、皆さんはどう思われるだろうか。

 

臨死体験、幽体離脱という不思議なことだけど、立花 隆さんもあの世へ旅立たれた時に体験されたのだろうか

誰にも分からないことだが。

 

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