フランスで「醸し人九平次」が売れるには訳がある【自宅】

フランスで「醸し人九平次」が売れるには訳がある【自宅】

 

 

この夜は「醸し人九平次」で一杯。

九平次の中でもこの ”別誂え” はトップモデルに位置づけられる最高級のお酒。

 

こんな高級なお酒は自分では買えない。

お歳暮で頂戴したもので、嬉しい限りだ。

 

これそのものは輸出仕様のお酒で、言わば ”逆輸入品”。

なので買おうと思ってもそこらで買えるものではない。

一旦出国しないと手に入らないので、買うにはパスポートが必要というハードルの高いシロモノだ。

 

日本酒と言えば福島や山形あたりが有名なところだけど、九平次の「萬乗醸造」は名古屋にある。

そんな名古屋のお酒に初めて出会ったのは、長野県のとある居酒屋。

今から20年ほど前のことだが。

公式HP

その居酒屋で勧められるままに飲んだのが九平次で、これが驚くほどに旨かったのだ。

その頃は名古屋でお酒を造っていることを知らず「信州にはいいお酒がありますネ」と言えば、店主から「名古屋のお酒ですよ」と言われてビックリしたのを覚えている。

 

そのお酒があまりにも旨かったので家用に買おうと思っても、その頃は九平次がまだ無名で売っている酒屋がない。

もちろんネットでも売っていない。

そもそも日本酒をネットで買うという環境も無い時代だったのだ。

 

仕方ないので蔵元の萬乗醸造へ電話すれば、豊田なら隣りの岡崎市にある〇〇酒店に卸しているので、そちらで買えますよとのこと。

当時は九平次も僅か三軒の酒屋に卸しているのに過ぎず、早速出向いて買ったのが九平次との付き合いの始まり。

 

今はお一人様一本限りという数量制限が当たり前だけど、その頃は何本でも自由に買えた。

それよりもその酒屋の店主から「ウチで九平次を売っていることをどこで知りました?」と聞かれたほどで、九平次が欲しいという客なんてほとんどいなかったのだ。

 

以来、九平次にどっぷりとハマった時期もあったけど、最近は九平次が手に入りづらく、飲む機会が少なかったから余計に嬉しい。

さっそくいただくことにする。

 

知らなかったけど、この九平次の精米歩合は35%。

精米歩合とは酒米を削る割合のことで、精米歩合35%というのは65%を削って捨てているということ。

高価な山田錦を65%も捨ててしまうのは如何にももったいない事だが、そうすることで雑味のないピュアなお酒が出来る。

 

とは言えここまで削る(磨く)のも大変なことで、一昔前なら技術的に出来なかった領域。

今は獺祭(だっさい)が磨き2割3分という究極的なお酒を出しているが、どこまで磨くことが出来るのかとチャレンジした結果が2割3分という数字。

やろうと思えばまだいけるらしいが、それ以上やると酒米が粉状になってしまい、上手く発酵しないとかで、ここら辺りがお酒造りの限界らしい。

 

それにしても磨き35%という数字は大したもの。

そんな素晴らしいお酒にはアテにも気を使いたいところだが、なんせ自宅なので凝ったものがあるわけではない。

 

木綿豆腐の湯豆腐仕立て。

おでんに使った豆腐が余っていたので、それを湯豆腐仕立てにしたもの。

 

これは鶏もも肉の塩炒め。

鶏もも肉も美味しかったが、添えられたほうれん草の炒めたものが頗る旨かった。

 

ニンジン、ワカメ、ポテトサラダの三種盛り。

いつも通りの料理が並ぶだけで、九平次には申し訳ないが家ではこんなものだ。

 

カンパイ。

う~ん、久しぶりに味わう九平次の、なんと円やかなことか。

何の引っ掛かりもなくスッと飲めて、後味スッキリ。

それでいて芳醇な香りが周りに漂うという桃源郷のような世界が広がる。

一気に一瓶飲んでしまいそうになる。

 

あまりの美味しさに以後の画像は無い。

撮り忘れたのではなく、九平次の余韻に暫し浸っていたかったのだ。

 

いや~美味。

こんなお酒があるのだから日本酒の世界も奥が深い。

九平次がフランスでも売れているのが分かる。

 

それほどにいいお酒なのだが、こんな高級なお酒をくれた方に感謝申し上げる次第。

今夜も美味しかった、ごちそう様でした。

 

 

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