上等な和食の店「あん堂」で堪能した料理と日本酒【岐阜県 土岐市】

上等な和食の店「あん堂」で堪能した料理と日本酒【岐阜県 土岐市】

 

この日は関係者との食事会。

普通なら ”忘年会” と言うところだが、年中飲んでいる我々には、年末だからと言って改めて飲む必要はない。

 

強いて言えば ”お礼の会” と言った感じで、この一年お世話になりましたということで、美味しい料理を食べに出かけてきた。

 

向かったのは岐阜県の土岐市にある日本料理店「あん堂」。

わざわざ土岐まで出向くのはどうかと思われるだろうが、車で40分もあれば着いてしまう。

土岐は近い所なのだ。

 

ドイツ製の高級外車に乗せてもらって、滑るように東海環状を走っていく。

この日は上々の天気でしかも暖かく、12月とは思えない穏やかな日。

 

ビュっと走ればアッという間に到着。

ここがその「あん堂」。

一ヶ月ほど前にここで食事をしてその旨さに痺れてしまい、後先考えずに空いている日を予約してしまったのだが、その予約日が今日ということだ。

 

店は相変わらず混んでいて、この日も予約で満席。

駅から離れた分かりにくい場所にあるが、美味しい店は辺鄙な場所でも人を呼ぶ力がある。

それはさて置き、さっそく暖簾を潜って入店だ。

 

開店と同時に入ったのだが、既に箸をつけている客がいるのにビックリ。

我々とほぼ同時に入店したカップル(夫婦だと思うが)だが、座った瞬間に食べ始めたようだ。

前置きもなくいきなり食べ始めるより、”間” というか ”タメ” があってもいいと思うが。

 

この二人はその後も殆ど会話せず、黙って黙々と食べていたのが印象的。

特に男性が早食いで、アッという間に食べ終えてしまったが、あれでは女性は寛げない。

 

時々早食いの男性を見かけるが、かき込んで食べているようで下品。

ここはファストフードの店ではなく料理屋なのだから、ゆったりと料理を味わって楽しめばいいと思うが、余計なお世話か。

 

今日は会席料理が頼んである。

一品目はサザエと青菜の辛子味噌和え。

口取りの一品だが、とても美味しく、同行の人からも「コレ旨いね」とのこと。

 

たまらずお酒をオーダーだ。

お酒は多種あり、しかもいいものが揃っている。

知っている銘柄も多いが、ここはマスターのオススメでいってみようと、吟醸系のお酒とだけ注文して、銘柄はマスターに任せた。

 

運ばれてきたのは久保田の千寿。

千寿と聞いてちょっとガッカリ。

 

と言うのも久保田の千寿は飲み飽きているお酒で、卒業したブランド。

今さら感タップリなのだ。

ミスってもいいから、やはり自分でチョイスしないとダメだと改めて思った次第だ。

 

二品目に出されたのがコレ。

土瓶蒸しなのだが、中に入れられているものは牡蠣やエビなどの海鮮。

 

スープを味わうのがメインの料理で、このスープが絶妙に旨い。

出汁と具材とのマッチングが素晴らしく、いつまででもスープを味わっていられる。

 

マスターは、どうやって味を見つけるのだろうか。

プロは感性のレベルも高く、出汁のとり方ひとつも我々素人とは違う。

私の家など、出汁と言えば味の素の ”本だし” だからね。

 

三品目は刺し身。

鱸(すずき)、カンパチ、バチマグロなどと説明を受けたが、マグロ以外はどれが何か分からないのが情けない。

素人とはそんなもので、恐縮。

 

お酒も進んで、二杯目には「田酒(でんしゅ)」に。

青森の酒で飲んだことはあるが、久しぶりなので頼んでみた。

 

飲めば膨よかな味わい深いお酒で、さっきの千寿と比べて味が濃い。

味が濃いと書いたが、後味はスッキリとしていて料理の邪魔をしない。

吟醸酒ではなく純米酒なのだが、美味しいお酒だ。

 

四品目には、焼き魚をメインにした盛り合わせが運ばれてきた。

メインになっている焼き魚はカマスの塩焼き。

 

カマスの塩焼きと言えば ”尾頭付き” が普通と思っていたが、ここのものは三枚に下ろされている。

それだけ大きなカマスということだが、油が乗って旨い。

 

これほど油の乗ったカマスは初めてだし、それにこれ程大きなカマスも初めて。

こんな旨いカマスもあるのかと驚いた。

 

またまたお酒が進んでしまい、三杯目に頼んだのは長崎の「よこやま」という純米吟醸酒。

「よこやま」と言うブランドは見るのも聞くのも初めてだし、そもそも長崎のお酒そのものが初めて。

 

だがしかし、このお酒が抜群に美味くて、思わず「オッ!」と声を上げてしまったほど。

酸味があって爽やか、コクがあってスッキリ、後味キレイなのど越しで、九州・長崎にこれほど旨い酒があるとは思いもしなかった。

 

個人的に今年のお酒のナンバー・ワンで、そんなお酒に岐阜の土岐市で出会えるとは。

このお酒に出会えただけでも、ここへ来た価値があるというもの。

それほどインパクトのあるお酒で、ビックリしてしまった。

 

イカの塩辛。

塩辛とは言え塩辛さは微塵もなく、旨味のギュッと詰まった味が酒のアテにドンピシャ。

マスターのお手製なのはもちろんのことだ。

 

蕪(かぶ)の何かだったが、忘れてしまった。

画像を見ても思い出せないのが申し訳ないが、美味しかったことだけは覚えている。

 

里芋の練り物の、揚出し餡かけ。

器だけの画像しか撮っていなかったが、マッシュされた里芋にアレコレ混ぜ込んで揚げ出しにし、さらに餡で仕上げるという手の混んだひと品。

 

同行者の方からも「素晴らしい」の一声。

この店のマスターの腕の確かさを感じさせるひと品だ。

 

茶碗蒸し。

これも器だけの画像で恐縮だが、濃厚なプリンのような茶碗蒸しで、滑らかなコーンの味もするという深遠な茶碗蒸し。

 

天ぷら。

ホタテは覚えているが、他は何だったか。

 

美味しい料理と旨いお酒の連発で、記憶が飛んでいる。

調子に乗ってお酒も四杯目で、福井の「早瀬浦」を飲んでいるが、飲み過ぎだ。

 

ご飯にはちりめん山椒が掛けられている。

どれもこれも美味しくて、満腹。

 

デザート。

柚子味のアイスクリームで締め。

 

こんな素晴らしい料理を作ってくれたのがこちらのマスター。

カウンターの奥から我々の料理の進み具合をチラチラと見ていて、それに合わせて料理を出してくれるという心遣いもあって、とてもいいペースで味わえた。

ただマスターと何度も目が合ってしまって恐縮だったが、それだけ気を使ってくれているということだ。

 

以上で料理は終了だけど、この会席でいくらだと思いますか?

金額のことを書くのは気が引けるけど、これで4千円。

内容からすれば破格のバーゲンプライスで、とても4千円の内容ではない。

予約が取れないのも納得の味とパフォーマンスだった。

 

日本料理 あん堂

 

実に素晴らしい料理で美味しかったし、同行者の方々も満足してくれたようで、ご同慶の至り。

美味しかった、ごちそう様でした。

 


 

せっかく土岐まで来ているのだからと、このあと珈琲店へ向かうことにした。

それはこんな ”詩的” な店で、私の取って置きの店なのだが、その話は次回ということで。

 

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