気楽な店だけど料理の美味しい大衆割烹「いそがい」【豊田市】
- 2020.03.26
- 家飲み/家食べ
新型コロナで揺れる飲食業界の ”視察” という名目の飲み会。
二軒目は、この飲み会の言い出しっぺのママの希望で「味仙-豊田店」に行ったのだが、生憎の定休日でやっていない。
急遽予定を変更して向かったのが、大衆割烹を謳う「いそがい」という店。
店は新豊田駅の西にあって便利な所だが、駅裏というイメージで、この方面にはほとんど飲みに行かない。
ママが教えてくれなければ、行かなかった店だ。
割烹料理屋とは言え、見た目の敷居は低い。
入り口だけ見れば ”黄昏れ感” も漂う。
どんな店かと店に入れば、そこには居酒屋の景色が広がっている。
入り口から見て左側に6席ほどのカウンター席があり、正面には座敷があるが、座敷は照明も消されてカウンターだけの営業。
この夜はお客さんが少ないということか。
我々も当然のようにカウンター席。
先客は一人飲みのお客さんと二人連れのお客さんの三人で、すべて常連客のようだ。
先ずはお酒。
いいお酒が揃っている。
ママ推薦の「出羽桜」でいってみた。
一合で770円と、一軒目の「吟醸マグロ」のお酒と比べて半値以下で、これぐらいが常識的な値。
やはり一軒目の酒の値段は高過ぎだ。
再び乾杯。
飲めばこれが美味しいお酒で、ママが選んだだけのことはある。
この店は冷酒用の酒器で出してくれて嬉しいが、ちゃんとした酒器で出す店は意外に少ない。
よくあるのが枡にコップを入れ、溢れるようにお酒を注ぐスタイル。
「もっきり」または「盛り切り」という注ぎ方なのだが、溢れるようにお酒が注がれているため、初めの一口、二口は、口をコップに迎えにいって飲む形になる。
犬喰いならぬ ”犬飲み” で、下品そのもの。
それに枡に入っているとは言え、基本はコップ酒なので煽るように飲むことになる。
いつからこんな飲み方が流行り出したのか知らないが、見苦しい飲み方。
しかも溢れたお酒でコップはベタベタになり、それを持つ手もベタベタになる。
コップからは滴も垂れるからテーブルも汚れて、キレイに飲めない。
飲めればどんな形でも良いのではなく、お酒は上品に飲みたいもの。
お酒でお金を稼いでいる飲食店なら、ちゃんとした酒器ぐらいは用意して欲しいのだ。
すいません、余計なことを書きました。
突き出しは、厚焼き玉子やチーズなどの三点盛り。
この突き出しが美味しく、この店の味の良さと腕の確かさが垣間見える。
卵焼きは寿司屋の「玉」と同じで、甘めに仕上げられていてとても美味しい。
寿司屋でもこれだけの旨い卵焼きを出す店は少ない。
今は寿司屋と言えども店で卵を焼かず、業務用の卵焼きを出す店が多いが、この店はちゃんと焼いているのが素晴らしい。
伊達に「割烹」を謳っている訳ではないのだ。
アテには味噌串カツ(600円)を頼んだが、メニューを見て急に食べたくなったもの。
素早く出された串カツがこれ。
ビジュアルからして美味しそうだが、食べればこれが抜群に旨い。
器もいい雰囲気で、串カツを盛るには勿体ないほどだが、これが割烹料理屋の矜持なのだろう。
串に通された肉はハンバーグのように練ったもので、意表を突かれる。
だけどこれが旨い。
かけられた味噌ソースも甘めの味で、味噌辛さは微塵もない。
添えられた辛子を付ければ、大人の味に変身。
お持ち帰りしたくなるぐらいの、旨い串カツだった。
お次は牛タンのつくね串(600円)。
牛タンのつくねは初めてだ。
食べれば確かに牛タンで、ミッチリとした作りのつくね。
これも旨い。
これらのアテに思わずビールを頼んでしまったが、当然の成り行きだ。
お次はママオーダーの、山芋の磯辺揚げ(580円)。
山芋を擦り下ろして団子にするだけでも面倒なのに、それに大葉と海苔を巻いて揚げるという、手の込んだひと品。
塩をパラリと振りかけて頬張れば、お餅のような粘りと味が楽しめる。
これにはお酒が合うからと「越後の長者」を合わせたはずだが、記憶が曖昧。
この後ごぼうの唐揚げを頼んだけど、オーダーが通っていなくて、すぐに出るホタルイカの酢味噌和えに変更。
オーダーが通っていなかったのは、フロアの女の子が忘れてしまったため。
女の子は恐縮していたけど、大して気にする事でもない。
私なんか、何を頼んだのか忘れてしまうこともあるのだから。
サッと出されたホタルイカの酢味噌和えがこれ。
キレイなお皿にもられたピカピカのホタルイカで、サイズも大きくて立派。
これも美味しいアテでお酒がますます進んでしまったが、ここまでで〆にした。
大衆割烹を謳うだけのことはあって、美味しい料理が気楽に味わえる。
ただしカウンターの目の前の “一等地” にテレビが置いてあったが、これも ”大衆割烹” 故のことか。
⇒ 大衆割烹「いそがい」(食べログ)
帰り道にはこんな店もあって、〆に何か食べて帰ろうかとママに言ったけど、食べ過ぎは良くないと ”ママ・ストップ” がかかってしまった。
飲んでツマミも食べているからそこそこには腹が膨れているが、飲むと〆に何か食べたくなるのが、酒飲みの性なのだ。
ここは天ぷらの店のようだが、天ぷら屋のイメージはない。
ちょっと気になるから機会があれば行ってみようか、と言うことでお開きにした。
たまたま寄った大衆割烹の店だったが、美味しくていい店だった。
ごちそう様でした。
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