パン屋の2階に広がる異次元のイートインスペース【市之倉ベーカリー 壱】
- 2023.12.25
- 岐阜県
クラシックでトラディショナルな洋食屋「アクアパッツァ」で、美味しいハンバーグを食べた後に寄ったのは、すぐ隣りにあるパン屋。
ここがそのパン屋で、左側にチラッと見える朱色の建物はアクアパッツァ。
このパン屋の名は「市之倉ベーカリー 壱」。
パンに思い入れのない私なので、寄るつもりがなかったのだが、隣りなので寄ってみた。
寄るつもりがなかったと言うより、ここにパン屋があることすら知らなかったのだ。
店は普通のパン屋で、取り立てて言うことはない。
適当にフランスパンやカレーパンなどを買い、会計を済ませて帰ろうとすれば、奥殿がイートインスペースがあるという。
そう言われれば、コーヒーなどのメニューも書いてある。
店員さんにコーヒーが飲めるのですかと聞けば、2階にイートインスペースがありますからとのこと。
どうしようかなと一瞬迷ったけど、洋食屋ではコーヒーをパスしてきたので、ここでコーヒーにしようかと。
奥殿もゆっくりしていきたいとのことなので、カフェオレを頼んで2階のイートインスペースへ行ってビックリ。
そこにはこんな素敵な空間が広がっていたのだ。
なんなん、この異次元の空間は。
重厚な梁で組まれた広いフローリングの部屋で、イートインのスペースなどという規模ではない。
1階にあるパン屋の狭いスペースからは想像もつかない、トラッドな世界。
イートインのスペースとしては贅沢すぎる世界で、キッチンを備えて本格的なカフェとしてオープンしてもいいのではと。
こんな贅沢な空間が、無料で使えるとは信じられない。
買ってきたパンを摘みにコーヒーにすれば、心から寛げる。
隣のテーブルにはおばあさんとその娘さん、そしてその子供(孫)がいて、娘さんが子供に絵本を読み聞かせている。
こんな素敵な空間で、お母さんに絵本を読んでもらっている子も嬉しそうで、それをニコニコと見ているおばあさんも幸せそう。
ゆったりと時間が流れるこんな世界で育つ子は、情緒豊かな子になるのでは。
我々の正面には、品のいい高齢の女性と中年の女性が楽しそうに談笑している。
話してる内容は分からないが、とにかく楽しそうに話していて、それが絵になるのだ。
絵本を読んでいる女性も、またこちらの二人の女性もゆったりとした雰囲気を醸していて、文化的な程度が高い気がする。
ここ多治見の市之倉は、豊田市に比べればはるかに田舎。
豊田市には立派なスタジアムもアリーナもあるし、洗練されたスタイリッシュな美術館もある。
飲食店も焼肉屋からラーメン屋、寿司屋に居酒屋など何でもある。
だけどどれも ”ホンモノ” の雰囲気がないのだ。
寿司屋といえば回転寿司だし、焼肉屋でもラーメン屋でも目につくのはチェーン店系の店ばかり。
それが悪いということではないが、どこか薄っぺらな雰囲気が付きまとう。
このパン屋に来る前に行った洋食屋のアクアパッツァにしても、40年も前からやっているという。
もちろん料理が美味しいから長く続くのだけど、それを支持するお客さんがいるからこそ長く続けられる。
何でもある豊田市だけど、では昔からやっている洋食屋があるかといえば、答えはNO。
そもそも洋食屋そのものが無く、あるといえばファミレスのような店ばかり。
こう言っては炎上しそうだが、豊田は文化的な程度が低いのでは。
回転寿司にしてもファミレスにしても、料理の見せ方は上手だし値段もそこそこ安い。
だけど使っているお皿はプラスチック。
乱暴に扱っても割れないし、価格も安いから使うのだろうけど、やはり安っぽい。
でもそういう食器を使っている店へ行く人の方が多いのだ。
店に食べに行くのは、プロの作った料理が食べたくて行くのだけど、そこで出される料理がプラスチックのお皿に盛られていては興ざめ。
これが個人の店なら、プラスチックのお皿なんて使わない。
アクアパッツァの料理にしても、ちゃんとしたお皿に盛られている。
そんな些細なことだけど、こういうことが日々繰り返されれば、文化の程度も変わってくるのではないかと。
ホンモノとまがい物の差だ。
このパン屋のイートインスペースの景色と、そこで出会った人たちの醸す雰囲気。
決して豪華なものを食べているのではなく、パンとコーヒーを合わせているだけだけど、優雅に時を過ごしているのだ。
豊田市の店で感じる落ちつきのないセカセカと感じとは別の、ゆったりとした感覚。
これが伝統と文化の持つ重みかと。
パン屋へ来て、そんなことを思わさせてくれるなんてネ。
この感じが味わいたくて、また寄ります。
あ、パンも美味しかったですよ。
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