ブラックタイガーの海老マヨは甘目の日本酒も合う【自宅】
- 2019.08.21
- 家飲み/家食べ
奥殿がエビを買ってきた。
立派なサイズのブラックタイガーで、海老マヨが食べたいからとか。
それはいいのだが、海老マヨは私の担当。
海老マヨは奥殿も作るが、奥殿は市販の ”海老マヨの素” を使って作る。
それに引き換え私は市販の ”素” を使わず、マヨネーズとスイートチリソース、それに白ワインを使って作るけど、これがかなり美味しい。
自分で言うのもナンだけど、私の作る海老マヨは、店で出されるものに比べても遜色ない。
それどころか私の作る海老マヨの方が数段旨い、ということもしばしばある。
そんなことから家で海老マヨと言えば、私が作ることになってしまったのだ。
これが買ってきてくれたブラックタイガー。
画像ではサイズが分かりにくいが、大きなブラックタイガーで立派。
このままでは海老マヨにならないので、下ごしらえをしなければならない。
海老の殻を外し、背を開いて背ワタを取れば済みということだけど、慣れないのでこれが面倒。
面倒とは言え、旨いものを食べるには手抜きはご法度。
やることはちゃんとやらないと美味しいものが出来ず、裏技などという都合のいい ”手抜き技” は無い。
プロの料理人はこういう下ごしらえも手を抜かないもので、それがプロのプロたるところ。
見様見真似でやっている私のような ”なんちゃって料理人” とは訳が違うのだ。
下処理の済んだ海老がコレ。
後は軽く塩を振り、水で溶いた小麦粉に絡めて焼くだけだ。
海老マヨのキモはソース。
私の作るソースは難しいものではなく、マヨネーズにスイートチリソースを混ぜるだけ。
これを混ぜるのだが、このままだとコテコテになるので白ワインで伸ばす。
それぞれの量は適当だけど、白ワインの量にだけ気を付ければ、失敗することはない。
白ワインを入れ過ぎるとシャビシャビになってしまうから、そこだけは気を付けるのだ。
スイートチリソースはこれを使っている。
字の通り甘めのソースなのだが、チリソースとあってチリペッパー(唐辛子)やいろんなスパイスが効いて、複雑かつ深い味わい。
マヨネーズと合わせるだけで、美味しい海老マヨのソースになるのが不思議。
奥殿は作ったソースをオニオンスライスなどにもかけているが、確かに合う。
簡単に出来るけど、応用範囲の広いソースで重宝している。
海老は揚げずに焼いてしまう。
水で溶いた小麦粉を付けて焼くだけだから簡単。
焼けたらマヨネーズソースに絡めて、ハイ出来上がり。
オォ、ゴージャスな感じもあって美味しそう。
出来上がればさっそくビールで一杯だ。
ビールも旨いが海老マヨもかなり旨い。
大振りなブラックタイガーだったから食べ応えも十分。
エビも火を入れ過ぎないように慎重に焼いたので、身もプリプリッでいい感じに仕上がっている。
飲食店でも海老マヨはよく頼むが、エビそのものを味わえるような海老マヨにはなかなか出会えない。
店だとコストの制約があるから難しいのだろうが、エビを食べた、という感じの海老マヨは少ない。
家だと利益とか値段なんてことは考えなくてもいいので、少々高くてもいいエビを使うことができる。
高いと言っても外食で頼むことを思えばはるかに安いから、結果として美味しい海老マヨになる訳だ。
マヨネーズソースもいい味をしている。
甘じょっぱい中にもチリパウダーがいい働きをしていて、引き締まった味のマヨネーズソースになっている。
大人がハマる味だ。
ビールで喉を潤せば、やはり日本酒の出番。
ビールも美味しいのだけど、お腹が張ってしまい飲めなくなってしまうのだ。
今日は「風の森」のアルファ(ALPHA)でいってみた。
このお酒のことはちょっと前に触れたが、精米歩合が22%という究極の磨きのお酒。
獺祭にも「磨き二割三分」という尖ったお酒があるけど、このALPHAはその上を行く。
酒米は磨けば磨くほど不純物(タンパク質や脂質)が少なくなり、中心部のデンプン質だけが残り、それで醸したお酒は雑味が少ないという。
ただ磨けばいいということでもなく、35%以上磨くと酒米が砕けて粉になってしまうことが多いとか。
それをクリアして出来たのが獺祭の「二割三分」なのだが、酒米の磨きには相当に苦労したらしい。
それを上回る磨き22%というのは、この世界では究極的なもの。
そんな究極的なお酒の味はどんなものか、ということで飲んでみた。
飲み味は意外なほどに甘い。
トロッとした飲み味でキレはないが、海老マヨのような濃い味の料理には合う。
そういう点では和食向きではなく、ハンバーグなどの洋食系の方に向いているのかもだ。
仕込み水には超硬水を使っているとあるから、普通の感覚だと辛いお酒になると思うのだが、これはそうではない。
酒米を22%まで磨き、しかも超硬水を使って仕込んだ割にはドライ感がない。
ここの蔵人(杜氏)には目指す味があって、その方向に向かって醸しているのだろう。
22%まで磨くという難しいことをやり、普通では使わない硬水を使うというそのチャレンジ精神は凄いけど、ここまで甘く仕上がるのは不思議。
それと酒米は磨き過ぎると「味わい」が失われる気がする。
脂質やタンパク質は酒造りには邪魔かも知れないが、それが旨味の元になっていることも確か。
獺祭の「二割三分」も、風味という点ではインパクトに欠ける。
この辺りは人間にも言えることで、余りにもピュアで欠点のない男というのは貧弱。
付き合ってみれば楽しさもなければ面白味もない。
男というのは多少の欠点があっても、それを超えるガツッとしたものを持っている奴の方が一緒にいても面白いし、そんな男のほうが付き合っていても味がある。
私もそんな男を目指したいものだが、欠点ばかりでは話しにならないか。
頑張ります。
今日も美味しかった、ごちそう様でした。
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