一流の料理人の味と心が味わえる「日本料理 あん堂」【岐阜県土岐市】

一流の料理人の味と心が味わえる「日本料理 あん堂」【岐阜県土岐市】

 

今シーズンの紅葉ツーリング第二弾として、西三河の山間部から岐阜の東濃方面を駆け巡ってきた。

ここは豊田市の稲武(いなぶ)にあるタカドヤ湿地。

先々週も訪れた所だ。

 

その時の紅葉はまだ早かったが、二週間過ぎて来てみれば紅葉は盛りを過ぎ、既に終盤。

稲武は山間地なので気温も低く、そのため紅葉もアッという間に進む。

とは言えまだ見頃で、紅葉を見に来ている人も多いしカメラマンも多い。

 

観光地ではないので駐車場がなく、車は路駐。

そのため道路もこんな状態に。

それでもみなさんマナーが良く、通行の邪魔にならないように端っこギリギリに寄せて停めているが、これ以上増えるとオーバーフローしてしまうかも。

 

実は今日は紅葉見物が主な目的ではなく、土岐市の日本料理屋でランチをするのがメイン。

だけど折角出かけるのなら、ついでに紅葉もということで、思いっきり大回りのルートで来たのだ。

なので紅葉の話は後日にアップと言うことにし、先に土岐市の料理屋の話から始めることにする。

 

料理屋の開店時間は11時半で、稲武からその料理屋までは1時間もあれば着く。

 

タカドヤ湿地の紅葉を見終わっても9時で、このまま走ってしまうと10時過ぎには着いてしまう。

その時間だと早過ぎて店が開いていないから、あちこち寄り道しながら、土岐市を目指すことにした。

 

先ず寄ったのはコンビニのファミマ。

ここでコーヒータイムだ。

これは一番ポピュラーなホットコーヒーだけど、カフェラテを大々的に売り出していたのに気付いたのは、コーヒーを買った後。

コーヒーが失敗という訳ではないが、カフェラテを飲んでみたかった。

 

寄るつもりが無かった稲武の道の駅にも寄ってみる。

時間はたっぷりあるからね。

 

バイクの人たちも多いが、中年ラーダーの比率も高そう。

バイクは寒さに弱いから、ツーリングもこの時期ぐらいまでかな。

 

道の駅には秋の味覚が満載。

皆さんの勢いに押され、つられて買ってしまった。

 

道の駅で時間を潰したけどまだ余裕があるから、女城主で有名な岩村に寄ってみた。

城下町の岩村は何度も訪れているからそこはパスし、明知鉄道の岩村駅へ。

 

初めての岩村駅。

何の変哲もない駅だが、町にとって鉄道が有ると無いとでは色んな面に大きく影響するだろうから、廃線にならないように願いたいところだ。

 

こんな風景を見ると、ここが故郷ではなくても懐かしさを覚えるのはなぜだろう。

線路そのものが、ノスタルジックな気分にさせるのかも知れない。

 

駅前には立派な料亭が構えている。

こんな料亭があるということは、岩村は裕福な町なのか。

 

岩村の町並みも車でチラ見し、いよいよ土岐市の料理屋へレッツゴー。

パキューンと走って着いたのが日本料理「あん堂」。

去年も来たけど満席で入れず、今年は予約を入れたのだが一度目は予約が取れず、二度目で漸く予約が取れた次第。

 

去年のことを含めれば三度目の正直で、ここは予約の取りにくい人気店だったのだ。

開店時間(11:30)丁度に着いたのだが、店の前にはお客さんが開店を待っているという状況で、その人気の高さに改めて驚く。

 

いらっしゃいませ、と威勢のいい声で迎えてくれたのがこちらの店主。

腕のいい板前というオーラを発し、恰幅もよく ”らしさ” に溢れている。

 

店はカウンターが7席に4人がけのテーブルが2卓という、コンパクトさ。

それに堀ごたつ式の小上がりが一部屋あるという。

そのすべての席が埋まっているが、お客さんは私以外、全部女性だったのが印象的。

 

料理は着いてから選ぶものと思っていたが、予約時に指定しないと「四季折々 禄高弁当」(二千円・税込)に自動的になる。

弁当という名前だが、実はコース料理。

 

結論から言えば素晴らしい内容の料理で、これが二千円とは俄に信じられない。

予約が取りづらいのも納得だ。

 

初めに出されるのはこのお重。

これは初めからセットされているから、突き出しのような感覚か。

 

蓋を開ければこんな盛り合わせ。

焼き物(サワラ?)に煮物、だし巻き玉子、富有柿のマリネ!などに鉄火の細巻きというセットで、これだけで一合は飲めるが、車なので飲めないのが恨めしい。

残念で無念だが仕方ない。

 

お酒もいいものが揃っている。

後ろのテーブル席の女性グループが、女性としては珍しくお酒を頼んでいたが、何を頼んでいいのか分からないとのこと。

 

マスターが進めたのが飲みやすくて「優しいお酒」だったが、銘柄は聞き漏らしてしまった。

あ~、私も飲みたい。

 

刺し身。

マグロとブリかと思っていたが、ブリと思っていたのは実は鯛。

 

油ノリノリだったのでてっきりブリだと思ったのだが、体長が1mもある大きなモミジ鯛?で、日本海で捕れたものとか。

マスター曰く、鯛は日本海のものでないとと言うことだったが、海のない岐阜の土岐市でも、良いものを仕入れて来るのが素晴らしい。

 

お次に出されたのは茶碗蒸し。

蟹の茶碗蒸しだったが、これが絶品。

 

トロ~っと仕上げられた茶碗蒸しで、上半分は濃厚なコーンスープの味わい。

半分ほど食べ進んでいけば、まるでプリンのような食感に変化する。

そして蟹の身とカニ味噌の滋味深い豊かな味わいが味わえ、まさにプロが作った上等な味。

 

これ程味わいのある茶碗蒸しに出会ったのは初めてで、比べるとすれば浜松のフレンチ ナカミチ で味わった、ジャガイモの冷製スープに匹敵する。

ホント、茶碗蒸しと言うよりも濃厚なプリンかスープの感覚。

驚きました。

 

我々は食べるペースが遅いが、そのペースに合わせて料理を出してくれるのでありがたいけど、恐縮なことでもある。

 

ここのマスターは作り置きを出すとか、まとめて調理することをせず、刺し身でも我々の分だけを切って出してくれる。

なので他のお客さんと比べて、ワンテンポもツーテンポも遅い我々が、全体のペースを乱している気がして、それが恐縮なのだ。

 

次に出されたものは、里芋のあんかけ。

古伊万里のような洒落た器に盛られている。

 

土岐市は陶磁器の一大生産地で、生産量は多分日本で一番。

千年も前から焼き物をやっていて、志野・織部、美濃焼きで有名な所。

 

そんな土地柄からか、この地方の店はどこも良い器を使っている。

あん堂が使っている器もいいものが多く、箸置きも洒落ている。

そんな器に昔から囲まれて育っているからか、料理のレベルも自然に高くなったということかも知れない。

 

翻って私の住む豊田市の食文化は、大したことはない。

中山道があった土岐には、江戸の昔から旅籠もあり外食も行われていたが、江戸時代の豊田に飲み屋があったとは思えない。

それを思うと東濃地方には昔から外食の文化があったし、器を通じて食文化が高くなったのではと思う。

 

椀物です。

蓋を開ければこんな感じ。

里芋にあんを掛けただけという単純なものではなく、里芋をマッシュしてパン粉で揚げるという手の混んだひと品。

上品な餡に絡められ、添えられたワサビで味わえば得も言われぬ上等な味。

 

素晴らしい。

クドいようだが、これが二千円のコースとはビックリだ。

 

奥殿が気付いたのだが、こんなお土産もあるという。

聞けばどれも出来ますとのことなので、穴子寿司と稲荷寿司をお願いした。

穴子寿司は出来たてを直ぐに味わいたいところだが、土産としてお持ち帰りだ。

 

〆は天ぷらとご飯、それに味噌汁。

天ぷらも一品づつ揚げたてを出してくれるという、天ぷら屋並みの手間をかけた出し方。

揚げたてを出してくれるので、こちらも負けずに直ぐに食べるから、画像を撮る暇がないので画像はなし。

 

ご飯は小盛りだけど、お代わりは自由とのこと。

何も言わぬうちにマスターがお代わりしましょうか、と声を掛けてくれる気遣いが嬉しい。

 

添えられたちりめん山椒は自家製とのことだが、とても旨い。

京都の土産のちりめん山椒よりも味が上品で、これだけでご飯が進んでしまう。

 

味噌汁は白味噌。

三河の赤味噌とは違った旨さがある。

私はもともと白の糀味噌が好きなので違和感がないが、三河の人だと味が薄いと感じるかも。

 

この間に頼んだ穴子寿司を作ってくれたのだが、その見事な手捌きにお客さんから歓声が出るほど。

流れるような手つきで、素晴らしいパフォーマンス。

 

穴子寿司は関西の押し寿司で、出来上がりを竹皮で包み、その竹皮の一部を包丁で切って紐にし、サッと包んでしまったのはお見事。

見ているだけでも鮮やかだった。

 

デザート。

いや~想像以上に素晴らしい店で、ごちそう様でした。

 

とても素晴らしい店だったので、ここで一杯会をやれないかとマスターに相談すれば、年内の週末で空いている日は12月半ばに一日あるだけとのこと。

しかもカウンター席しか無いとのことだったが、後先考えずに予約してしまった。

一杯会のメンバーも決めていないが、ここで決めてしまわないと席が取れないからね。

 

日本料理 あん堂(HP)

 

 

帰りに織部ヒルズで器を買って帰ります。

土岐には素晴らしい料理屋が多いのに、改めて驚いた。

 

奥殿もとても美味しかったとのことで、ご同慶の至り。

また寄ります。

ごちそう様でした。

 

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ありがとうございました